<氷菓スタンプラリーをめぐってひとり旅>1日目平湯温泉「正体見たり」 | 晩酌日記徒然 おうちワイン期

<氷菓スタンプラリーをめぐってひとり旅>1日目平湯温泉「正体見たり」

飛騨高山に行こう。ついでに奥飛騨温泉にでもつかってこのストレスまみれな心身をいたわってこよう。そう決めたのは予定日の1ヵ月も切っていたころだったと思う。そもそもストレス起因での温泉旅行には11月にも山形に行っているわけで流石に1Q1回のペースは早い気もするけれどいいとしようダッシュ

 

ひとり旅は良いね。気心しれた友人たちとわいわい行く旅行も勿論好きだけれど、予定をゆるく組んで気ままに過ごせるのがいい。
とはいえアシとマクラくらいは押さえておかないと落ち着かないのでしっかりと1日目平湯温泉に向かうための松本行きのあずさを予約。9時ちょうどのあずさ7号で私はあなたから旅立ちます、というつもりだった。

が、ですよ。前日2/5の月曜日、東京では雪が降り電車は次々と運休。
旅の初日2/6火曜の朝、確認するとやはり乗るはずだったあずさ7号は運休。オーマイガッ!!!ガーン
午後には復旧見込みとあるがそれもどうか分からず、仮に松本まで着いてもその先もバスが時間が合うかも分からない。
一方、西の方面では東海道新幹線も、JR高山線も動いているよう。それならばプランB発動、名古屋・高山経由で平湯温泉入りする!早朝頭もろくに回らない中でとりあえずカバン持って家を出たのでした。

幸い順調に名古屋まで付き、高山までも昼過ぎに到着。
予定より1万円ほど往路の交通費が高くなったけど…またストレスにまみれながら稼ごうじゃないか。大人なので。涙

さて、このダイナミック迂回によってひとつだけラッキーなことが起こります。それは濃飛バス主催のTVアニメ「氷菓」重ね捺しスタンプラリーに参加できるということ!

このスタンプラリーは高山市内5カ所を巡ってスタンプを重ね捺ししていくというもので、市内と言いつつ高山駅からバスで50分かかる平湯温泉や、同じくバスで30分程度?の飛騨一ノ宮水無神社がスポットに入っておりなかなか難易度の高いもの。
しかも台紙は高山駅前の観光案内所でしか手に入らない。つまり元々の予定は平湯温泉→高山だったので参加をあきらめていたのだけれど、ルート変更によって台紙を持って平湯温泉に行ける…それなら!参加しようじゃないか!!!




フリー切符の有効期限は2日間で、平湯温泉の往復だけだとちょっと割高だと親切な窓口の人は教えてくれたのだけれどまぁせっかくなら「氷菓コラボで売り上げあがった」て思ってもらいたいというのがオタクのSAGA。
※スタンプラリーはフリー切符でなくても参加することが出来ます。また濃飛バス運行の普通便?にしか乗れないのでご注意ください

切符にうつる4人はどう見ても夏の装いだけれど実際の車窓はバリバリの冬景色でなんなら雪も降っている。1時間ほど揺られてついたのが平湯温泉バスターミナル。




こんな雪山に囲まれた地に来たのは何年ぶりなんだろう!あぁ〜とても美しい。早くこの景色を見ながら湯につかりたい。はやる気持ちを抑えつつまずはスタンプである。

バスターミナル降りたところすぐの「アルプス街道平湯」と、道路挟んだ向かいの「平湯温泉宿泊案内所」でそれぞれペタっと。
この距離感で2箇所にする意味はあるか??とも思ったけれどきっと大人の事情があるのでしょう。

ちなみに重ね捺しは本来はちゃんと順番があって、高山駅の後は本当は先に飛騨一ノ宮水無神社にいかなくてはならないし奉太郎もポスターで「順番に捺さないと綺麗な絵柄にならないそうだ」と言っているのだけど、流石にそれは無理だよなぁ。。
折木奉太郎よ、君の信条である「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければならないことは手短に」に照らし合わせれば順番の前後など当然だろう。いやそもそもやらないだろ。

そんなことをぶつぶつつぶやいているうちにお宿到着。今回は旅館「たなか」さんというところに泊まってきました!


部屋の窓からの景色。


貸し切り温泉も24時間使えて素朴な暖かいお宿でしたよ照れ

この時点で15時。迂回してきたわりには温泉を楽しめる時間がしっかりあってよかった!まずはバスターミナル近くの温泉施設「ひらゆの森」へ。

これだよ、これ、という求めていた雪山絶景に囲まれた露天風呂…!最&最&高でしたね。お湯の温度もほど高く私好み。


お腹もすいたところでお宿に戻れはお夕食が。山菜にお魚に、そして飛騨牛のステーキにと豪華~。天領酒蔵のスパークリング日本酒「すますま」と一緒にいただきます。






いや~、美味しい。何もかも美味しい。

と、全部残さずに食べていたらね。。ステーキの最初の一口は超美味しかったの。お肉の脂がとっても甘くて旨味がぎゅっと詰まっていて最上の食べ物だと確信したよ。日本酒とのペアリングもばっちりだった。
でもねやっぱりアラフォーの胃には2切れが美味しく食べれられる限界なの!涙
胃が受け付けられない。つらい。美味しいのに。本当に美味しいのに。
食べたんだけどね、4枚。
大人になった自分を感じたのでした。

お宿の温泉も入ってお部屋で飲みながら読書タイム。飛騨牛サラミ美味しい。



※以下、やや氷菓ネタバレ含みます

氷菓の温泉回って、確かなんか浴衣を首吊り遺体と見間違えたやつだよな…?と曖昧すぎる記憶をたどりつつ小説「正体見たり」(『遠まわりする雛』収録)を読み返してみる。

まず舞台の温泉地は市街地から1時間半とあったので、50分で着く平湯よりきっともう少し奥を想定しているではないだろうか。奥飛騨温泉郷には沢山の名湯がある。
それでも登場する温泉宿は家族経営の素朴なお宿っぽく、今回泊まった「たなか」さんと通じるようにも思えてなかなか楽しい。舞台(近く)で小説読むっていいよね!大好き!


この話に登場する幼い姉妹の妹の気持ちは良くわかるものだったし、2個上に姉のいる私にとってはよくあるありふれた感情だった。お姉の持ってるものはなんだって良いものに見えたし、お姉のものが欲しかった。そしてそれを正面から言うのも嫌だった。決して仲が悪いんじゃない。奉太郎が言うように「そんなもん」だと思う。そしてそういう関係は決して悪いものじゃなかったと思う。


家族のグループラインに平湯温泉とワイドビュー飛騨の車窓を送れば、姉から「いいな〜」と羨む返信が来た。
今子供を3人かかえながら医師として働くワーキングマザーの姉には、とても国内4泊ひとり旅なんて出来ないんだろう。それを羨ましいと思うのか思わないのかは分からないけれど、でも「いいな」が全てを含んだ本気のものではないことは分かる。
姉妹とは「そんなもん」だ。


早朝から入った露天貸し切り風呂も最高だったー!冬の露天風呂っていいもんだよね。



朝食の朴葉味噌にも飛騨牛が少し。味噌の塩気で脂が引き締まってよいね。。そしてほんと朴葉味噌美味しすぎる。ご飯無限にいける。

高山に向かうために9時すぎには旅館を辞して、またバスターミナルから高山へ。旅はまだ長くスタンプラリーは続く。