幼少の頃より海が大好きでした。ただし実家が海からかなり離れていたため、自分で移動できない頃はお盆の帰省時に行く勿来の海が唯一の海水浴でした。勿来海水浴場は結構波がよく、大きな波に飲まれては「洗濯機〜」っと叫びながらゲラゲラ笑っていましたのを覚えています。あのどちらが上か全く分からなくなる感覚が楽しくて仕方がありませんでした。
中高生となると移動手段も増え、友達と集まっては湘南の海に電車で出かけたり、海まで何時間も自転車を走らせたりしました。あれは確か中学2年生の冬のある夜のことです。家をこっそり抜け出して友人と夜遊びをしていました。退屈な気分が頭をもたげてきた頃、ところどちらかともなく「自転車で海まで行こう。」という話になりました。自転車をこぐこと2時間あまり。最後の長い下り坂(帰りは非常にきつい)を下り終えたところで突然声がしました。
「おい、君たち何歳だ!?」
振り向くとそこにはスーパーカブに乗った警官が。僕はとっさに「逃げろ!」と叫びました。必死に逃走を試みたもののスーパーカブの機動力には全く歯が立たず、あっけなく御用。時はすでに深夜2時。家にすぐ帰ると警官に伝えたものの、未成年の外出ということで交番にて保護となりました。警官に幾度となく自分達で帰れると申し出たものの、規則により親に迎えに来てもらう必要があると。
家からここまで夜間でも車で40〜50分はかかります。警官は僕の家に電話をし、父の迎えを待つこととなりました。夜勤の腹ごしらえのカップラーメンをすする警官の前で僕たち2人は絶望的な時間を過ごすこととなりました。
交番に到着した父は警官に感謝の念を伝えると一言。
「車に乗れ」
そして僕らは家路へついたのでした。車中では父は僕たちを咎めるでもなく無言でハンドルを握っています。そして無言の怒りそして失望がひしひしと伝わってきます。それが車中の空気を一層気まずいものにし、友人も僕も後悔と反省の念に苛まされました。これは遠い昔に起こった海にまつわるエピソードです。
大学生になると車でよく海に出かけるようになりました。特に伊豆の白浜海水浴場は一番のお気に入りで、とにかく波が良い。エアーマットで乗るとすごいスピードが出るのでやはりゲラゲラ笑ってしまいます。あきもせずに朝から夕方までエアーマットで波に乗っていました、白浜までは早朝でも車で3時間、帰りはもれなく渋滞に巻き込まれるので5時間ほどかかりました。
※これを横向きにして2人で波に乗ります。
大学生になっても夜の徘徊癖は抜けきらず、車やバイクで深夜の道路を海に向かって走りました。海辺についても何するわけでもなく海岸線をしばらく走ってから早朝家に帰ってくるのが常でした。夜と海辺の街という組み合わせがたまらなく好きだったのです。夏休みには毎夜のように同じ場所を訪れました。
とにかく海、そして波が大好きでしたが、不思議とサーフィンを始めることはありませんでした。僕の面倒臭がりの性分が一番の理由だったと思います。バイトして、お金を貯めて、ボードを買ってそれから練習してというステップを考えたときに「ああ面倒臭いな。」と。また前述の通り家から海までは結構な距離がありますので、それも理由の一つだったのかもしれません。
当地に移住する前には東南アジアのある国で10年ほど働いておりました。この10年は仕事と子育てに追われ続けた日々で海に行く機会はほとんどありませんでした。その上周りには波のない穏やかな海岸ばかりです。何度かバスに乗って泳ぎに行きました。ひたすら平泳ぎをしていたその時です。少し離れたところから「バシャ〜ん」という大きな音が聞こえたので目を向けてみるとそこにはなんと
こいつ
が。
驚く人間たちをよそ目にそのオオトカゲはすいすいと沖へ向かって泳ぎ去って行きました。このオオトカゲは川の土手で日光浴しているのを頻繁に目にしましたが、まさか海にまで出現するとは思いもよらなかったです。
現在も島国に住んでおり、最寄りのビーチまでは車で10分足らず。海好きが再燃し海に頻繁に通うようになりました。現地の友人からボディーサーフィンを習ったのもこの頃です。ボディーサーフィンについては改めて書きますが、僕の性分にぴったりはまったこともありどんどんのめり込んで行きました。


