テニスと映像とストーリーの物理。 -2ページ目

テニスと映像とストーリーの物理。

テニスブログとして始めたのですがネタがつきたので、方向転換。映画や小説、お笑い、「おもしろい」と感じたあらゆるもの因数分解して、自分だったら思いつけたか?思いつけたなら、どういう風に思考すれば思いつけたか、を想像するブログ。





ヒト科のオスなら、誰でも
1度や2度くらい経験あるはずだ。

orz←この格好で悶絶したことが。


あれは高2の夏。

テニススクールでクロスラリーをしてた。
1つのコートに4人入ってのラリー。

ボールが浅くなったんで、アプローチしてボレーへ。


そんとき僕のトイメンで打ってたのはキシ君ていう、
それはそれは強い子で、関東大会優勝とかしちゃう全国トップクラス選手。
そいつがね、振り遅れやがった。フルスイングで振り遅れやがった。


「ん、なんか、こっちくんぞ?」


この時はまだ、遠い銀河の小さな彗星ぐらいに思ってた。

が。。。

え、これってまさか、あのコースなんじゃ?

と思った時点で僕にはなす術なし。
映画のように核弾頭で破壊しにきてくれる超人お父さんはいなかった。


結局、その小さな黄色い彗星は、僕のかわいい地球にアルマゲドンした。
彗星の名は、ダンロップフォート。


「ぐんぬっ。」


足の小指をタンスの角にぶつけたときみたいだったかな。
一瞬の間があってから、ものすごいディープインパクトが脳へと伝達される。


「あ、あ、あ、ああ、ああああ。」


ドラゴンボールで敵の圧倒的パワーを
見せつけられたときのクリリンみたいな声がでちゃう。

なんかこう、膀胱から胃へ突き上げてくるような痛みと、
ケツの穴からなにかデカいものを無理矢理つめこまれたような感触。


初体験のできごとに、脳はとうに処置落ちしてる。

僕のあそ子は全身を強く打って死亡しかけてる。


いや待て。
せっかく排尿以外にも素晴らしい使い道があることを2年前くらいに知ったんだ。
一度も使わずにあきらめるなんてできない。なんとか気力を振りしぼる。


コーチが寄ってくる。
「大丈夫か?」
目が笑ってる。


キシ君も寄ってくる。
「ホントにすみません、大丈夫ですか?」
目が笑ってる。


神よ。どうかこの2人に、ありったけの不幸を。


とりあえずコートの外に出よう、と。
いや立てねー。
歩けねー。

人間は残酷で心配してくれるのは最初だけ。
悲劇のヒーローは生ものと同じ。
「かわいそうな人」から、だんだんとコートのど真ん中でうずくまって
みんなの練習を妨害してる「うざい奴」になっていく。

仕方ない。この国は民主主義だ。空気を読もう。

激しい雪の中、ちょっとずつ歩く皇帝ペンギンのように、
内股でチビチビ進む。

「クスクス」

わかる。わかるさ。
こんな姿に笑わない奴はいない。
俺だって他人がそうしてたら笑うさ。

コートの隅でうずくまること、10分。
カラダってすごいや。
なんか慣れてきた。


もみ返しとでも言おうか。
外から押されると反発するのか。
なぜか急激にトイレに行きたくなる。
100mくらい離れたトイレまで、チビチビ歩く。


「ガチャ」


したいのは小さいほう。でも大のほうへ入る。
そりゃそうだ、安否の確認が先だ。


うん。見た目はなんともない。しなりが効いたな。
硬かったら完全に根元からイッてたかも。

いざ用をたそうと思うと怖い。
なんか、痛そうな気がする。

膀胱の門をちょこっと解放してみる。
尿検査でコップにちょうどいい量を入れるために、
キュっとするような感じで。


描かれた美しい放物線は、ちゃんと黄色だった。
普段当たりまえのことがこんなに嬉しいなんて。
忘れ物が届いてたときのような、あの嬉しさに似てる。


至福の時間を終えて、僕はコートに戻った。
せめてキシ君をテニスでボコボコにしてやる。
と意気込みながら。ま、たしか無理だったんだけど。


男性のみなさん。
クロスラリーをする際は、気をつけて。マジで。








マリオはフェデラー!?


ちまたでメルセデスのCMに出てくるマリオがフェデラーなんじゃないか?
と噂になってる。俗にいうバズってるってやつか。
つーか、バズってるってなんだし。ハヤってるでいいじゃねーかと思うのは僕だけ?
https://www.youtube.com/watch?v=_AkgJZGspCM

個人的にこのCMはすごい好き。
テテテッテテッテテン♪
小学校の頃に数千回は聴いたゲームオーバー音をバックに、
メルセデスのロゴが浮かんでくる演出がたまらない。
いちいち、シャレてやがる。
Mercedes-BenzとMario-Brothersの
イニシャルが同じなのも狙ってるはず。

にしても確かに似てるな。
鼻なんか誇張しなくてもいいレベル。


正体が気になって仕事にならん。
つーことでメルセデスのサイトへ。
んー、なになに。

Forget Roger Federer, who needs George Clooney

– For the new GLA Mercedes-Benz Japan has Super Mario.

I’m sure you’re thinking there must be a celebrity that was such a fan of the game that he renamed himself, after all celebrities do strange things. But, think again, Mercedes-Benz though that it would be an effective marketing campaign to bring on the most famous plumber of all time, Mario. But not just any Mario, a buffed up, slightly creepy Mario.Watch the video below for yourself, once the shock has worn off, rewind and watch it again.


英語なんかいorz。
ここはジャパンだぞ。


ジョージ・クルーニーになろうとしたロジャー・フェデラーなんか忘れな。

だって新しいメルセデスにはマリオがいるんだぜ。

どーせマリオ好きの有名人が変身したって思ってるんだろ?

ほんと有名人って変なことするからな。でもよく考えてみろ。

メルセデスが今回のキャンペーンに適してると思ったのは、

世界一有名な配管工、マリオだ。

まぁ、ちょっと筋肉ムキムキで不気味だけどな。もっぺん見てみなって。


(こんな感じ?違ってたら誰か指摘してください。)



あ、Σ( ゜∀ ゜)



と思ったときには

テテテッテテッテテン♪

メルセデスにハメス・ロドリゲスされていた。

マリオの正体がフェデラーであろうとなかろうと、

こいつらの狙いは、みんなに「あれ、フェデラーなんじゃね?」と思わせ、

気になってサイトに行かせることだったんだ。

そして裏切ることだったんだ。



Qoo、見事にハマった。

手の上で転がされる、いやもはやジャグリングされてる状態。

挙げ句に、こんなブログまで書いちゃってるし。くやしい。


まぁ、いい。問題はオチだオチ。

これで、実はやっぱりフェデラーでした。

なんてオチだったらもうネ申プロモーション。

大人の事情的にはフェデラーだと思わせて実はソックリさん。

ってオチが金がかからない方法だと思うけど。

高い出演費払ってまで、もうひとオチつけるかどうか。


メルセデスならやりそう。



でも欲を言うなら、もっとリアルと連動させてほしかった。

ウインブルドンのオープニングセレモニーとかで、フェデラーがマリオの姿で登場するとか。

マリオテニスのメンツを完全再現するとか。そんなことができたら最高に盛り上がったんじゃないか。


さっそく妄想。



フェデラーは、もちろんマリオ。


ナダルはテレサ。

 ショットの曲がり方的に。



君はヨッシー。顔w



マレーはワルイージ。顔w


 
ツォンガ、おまえの瞳には、なにが映ってるんだ?



ピーチは妥当にいくならマリア様。



隠し味にウイリアムズとか。


錦織はベビーマリオかな。

エアKが似合う。



うーん。けっこうイメージどおりだ。
イラレ勉強して、合成で作ってみようかな。だれか協力してくれるADいないかな。



クルマ屋さんのCMのせいで、世界中がマリオの答えを知りたがってる。
続きがあるのか、それともないのか。まだこれでゲームオーバーじゃないよな?

さぁ、どうくるメルセデス!?




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「左利きが有利になるスポーツ」


昔みた記事にこんなランキングがあった。


1位:テニス Σ(ノ°▽°)ノ 見たかコラ!



と、まるで世界を制した気分になって、
3日間くらい有頂天だった中学生の僕。
たぶんあれが初めての中二病だったと思う。
あ、僕、左利きなんです。


理由は至極まっとうで・・・

「回転が逆でやりにくい」
「対戦回数が少なく慣れてないから」


と、まぁ、なかなかの嫌われよう。

でもそのときからシックリこなかったんだよな。
これたしかに正しいとは思うんだけど、なんかちょっと違う。

だって、なにもこれ、テニスに限った話じゃねーじゃん
対人スポーツならほぼ全部当てはまんじゃん。


まぁ、でも「異議あり!」と古美門先生ばりに
論破できる説得材料も探せなくて、
ずーっとウヤムヤにしてきたんだが、
やはりナダル氏が教えてくれた。


なんで左利きはテニスで有利なのか?
たぶん最大の理由は・・・


偶数ポイントの時に有利だから。


そもそもテニスで展開を有利に運ぶには、
主に3つの方法にあると思うんだ。

1、自分が強い球を打つこと。

2、相手に強い球を打たせないこと。

3、オープンコートをつくること。


そんでテニスって、
必ずサーブからポイントがはじまるじゃないですか?

サーブが強くない僕みたいな人にとっては、
ただの始球式でしかないんだけど、プロは違う。

超絶有利な状況からはじめられる。そりゃそうだ。
新幹線よりも速えーのが飛んでくんだもん。
相手に一球も打たせずに1と2が叶っちゃう。

ムチャクチャ。ロディックとかもはや卑怯だった。
ここまでいきなり一方的にはじまる競技ってたぶんない。

で、そのサーブの中でも最強なのが、


左利きのアドサイドから打つ、
ワイドへのスライスサーブ。


1、2、3がすべて叶う「夢のショット」とでも言いましょうか。

プロだとスライスでも、170キロくらい出る。→強い球を打つ。
たいていの選手はバックのほうが苦手。→強い球返ってこない。
果てしなく外に逃げていく。→オープンコート打ってください状態。


そりゃナダルもじゃんじゃん使うわけだ。
だってテニス選手は全員性格悪いんだもの。

と、まぁ、どんだけ卑怯かはわかったとして、
偶数ポイントとなんの関係があんだよ。
はい、それはですね旦那・・・


テニスで重要なポイントは、ぜんぶ偶数なの。



特に4、6、8ポイント目。
「ヨーロッパ」とでも覚えてください。

ちなみに麻雀では24468の形を「西ヨーロッパ」と言って、
メンツになりにくい間チャンとしてみんなに嫌われてる。

15ー30「このポイント取られたらブレークポイントじゃん・・・」

30ー40「このポイント取られたらブレークされんじゃん・・・」

40ー30「このポイント取れればゲームじゃん・・・」

アドバンテージサーバー「このポイント取れればゲームじゃん・・・」


ぜ~んぶ大事なポイント。
これがファイナルセットの5-5とかだったら・・・
ガラスのハートの僕はこういう場面ではいつも
ダブルセカンドを打って逃げてきたけど、プロは違う。


そこまでサーブが強くないナダルが、
なっかなかブレークされない理由はここにある。

ナダルは15ー30の場面でポイントを取る確率が、
いじょーーーーーーーーーーーーに高い。


そんなの、
レフティーがリターンする時だって同じじゃ・・・


はい、同じじゃないんです旦那。

右利きの選手がレフティーに対して、
ワイドにスライスサーブを打てるのは奇数ポイントだけ。
大事な偶数では使えない。
バックで打たせたきゃセンターに打つしかない。
でもセンターで返された場合、
3のオープンコートをつくる。は叶わない。
だからチャンスが生まれてくる。

テニスのゲームの構造と、
サーブからはじまるという2つの要素が相まって、
左利きがとっても有利な状況が生まれてるんではなかろうか。
たぶん。。。


たぶん右利きの人は
「ズリィ~、ってかウゼ~」って感じると思うんけど、



いいじゃないですか、これくらい。
(´・ω・`)

僕たちだってふだん実生活で、
尋常じゃないくらい不都合を被ってるんだし。

昔テニスコーチやってたとき、
生徒のおじさんに、


「コーチの球出し、回転が逆で打ちにくいんだけど!」

って言われて、
しかたねーから右で出してやったら


「ナメてんのか?」

ってラケット突きつけられた。

「( ꒪⌓꒪)・・・はい?」

その後もやたら僕の心にハードヒットしてくるおっさん。
そりゃね、いくら耐久性に優れた僕の血管だって切れるっつーの。


ま、耐えたんだけど。
顔に出ちゃったんでしょうね。

「殺されてーのか、おまえ?」

って気持ちが。
顔に。態度に。プレーに。
たしかスマッシュとか打ったもんな。
前衛のおっさんに。いやー若かった。
チーフコーチにクレームがいき、
あえなくそのレッスン、クビにされたwww


まぁでも、よしとしようじゃないか。
スポーツではいろいろと有利だし。


ちなみにナダルは、もともと完全な右利き。
テニスのみ左打ち。書くのも蹴るのもぜーんぶ右。

実はこれ、コーチであるトニーさんの戦略で、
ナダルが子ども頃に、


「世界で戦うんやったら、左利きにせい!」


とビッグアイデアを思いつき、
最初から左で打たせたのが原因だとか。

そこまで未来を見越してるのが、スゴい。
そしてドンピシャでハマってるが、スゴい。

将来、子どもができたら、やるスポーツによっては、
僕も左利きに強制させようかな。ああ、また長くなっちゃった。。。





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大事なシーンで、大久保が外しまくった。


先日終わったW杯で、一番記憶に残っていたこと。
なにも僕に限った話じゃないはず。
でも意外だったのは、一緒に見ていたサッカー部の友達の言葉。



「あれ、結構むずかしいよ。
ヾ( ̄o ̄;)オイオイ」


内田からのクロスを合わせられずにフカしたシーン。
利き足じゃない足で、走り込みながら合わせるのは・・・・・・・・・


海外の選手は一流じゃなくても、
それこそ二流と呼ばれてしまうかもしれない人でも、
ああいうシーンではしっかり合わせてくる。
すくなくとも枠には絶対に飛ばす。と僕は思ってる。




僕はサッカーをそんなに知らないから、
4年前の日本とどう変わったのかはわからない。
でもそんな知識ゼロの状態だからこそ、第一印象はシンプル。


日本戦、つまんね。



そんなとき、同じ時期にやっていたウインブルドン。

テレビでは、18度目の挑戦でやっと本戦出場を果たした
杉田祐一選手の試合を放送していた。


でも残念ながら結果は、6-7、6-7、6-7。



一緒に見ていたサッカー部の友達は言った。

「なんで、あれ抜けないの?」



相手は果敢にネットに出てくる選手。

セットポイントもありながら、
要所要所で抜けないパッシングショットに対する一言だった。

迂闊にも僕は言ってしまった。


「あれ、結構むずかしいよ。ヾ( ̄o ̄;)オイオイ」


プレッシャーのかかる場面で、
滑ってくるスライスをクロスの浅いところに打つのは・・・・・・・・・・・・


3セット目、スヤスヤと寝る彼の幸せそうな寝顔を見て、気づいた。

本当に強い人、上手い人って、
そのスポーツを知らない人でもわかるんだ。




と。
オランダやドイツの試合を見たとき、ほとんどの選手を知らないのに、


「うまいなぁ~」

と直感的にわかる。

僕にとっては神的な存在である杉田選手も、
サッカー部の友人にとっては、
まだまだその強さが直感的にわかるレベルではないのだろう。


たぶんこれって、アートや音楽、それこそ仕事にも当てはまると思う。
細かな説明をしなくても、一見すればすごさがわかり、伝わるものは、
きっと一流というか、いいものなんだと思う。


W杯では僕が、ウインブルドンでは友達が先に寝た。
でも、決勝は二人とも釘付けだった。


どちらも深夜。明日というか、今日会社あるのに。。。

一般人って、正直だなぁ。

同じ芝の上で行われた2つのスポーツを見て、
なんだか重要そうなことを気づかされた7月だった。
ような気がする。











フェデラー、勝てませんでしたね。(´;ω;`)ブワッ


悔しすぎる。ガチで優勝してほしかった。
にしても、腹立たしいほど上手かったなジョコビッチ。。。ミスなさすぎ。
非常に薄かったけど、フェデラーにも勝てるチャンスは確実にあった分、
大きな悔しさと悲壮感に打ちひしがれた日曜の夜だった。



なぁ、フェデラー、バックちゃんと練習してる?


ここ最近のフェデラーに対する僕の印象は、ずーーーーっとコレです。

かつてのフェデラーは、凄まじいフォアに安定したバック、
そして、ここぞという時のサーブで、全く隙のないテニスをしていた。
まさに、今回のジョコビッチのような。


打つショットはどれも破壊力抜群。
しかもそれが毎ポイント、五月雨の如く繰り出せる。

通算戦績92勝5敗(勝率94,8%)を記録した2006年はもちろん、
2005年からの5年間はもはや敵ナシ状態。
なんか向かってくる相手を、マシンガンでリンチする。

そんな印象だったのをよく覚えてます。



でもそこから少しずつ研究されてしまい、
周りの選手、特にナダルとジョコビッチが成長してきて、
なかなか勝てなくなっていった。


それでも今回、レジェンドのエドバーグをコーチに迎えて、
サーブ&ボレーという新しいスタイルを取り入れて、
というか磨いて見事復活しウインブルドンの決勝に進出!
NEW FEDERERの誕生だ!



・・・・と、メディアは言っている。

多くの人もそう思っている。
「決勝はどっちが勝ってもおかしくない試合だった!」
ということを信じて疑わない。


でも、違うと思んだよなぁ。っていうか、まるで逆。




はっきり言って、完敗だった。



ファイナルセットまで行けたのは、ジョコビッチのメンタルに隙ができたから。
マッチポイントを取れなかった悔しさ、心の整理をするのに3ポイントかかってしまっただけ。
0-40のポイントはフツーのラリーができるように戻ったけど、1ポイント足りなかった。
おかげでフェデラーは九死に一生を得て、このセットを取れた。
それだけ。つまりジョコビッチが崩れただけ。


フェデラーは「なんでファイナルセットにいけたか、自分でもわからない」
なんて言ってたけど、内心は絶対にジョコビッチのメンタルが弱かったって思ってるはず。
言わないだけだよ。だって紳士だから。




マシンガンから、スナイパーライフルへ。




確かに今大会のフェデラーは、すごく調子がよかった。
というか強かった。以前ならビッグ4(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マレーのこと)
以外にも手こずっていた彼が、決勝まで、
わずか1セットしか落とさずに勝ち上がって来れたのは、
間違いなく芝での豊富な経験と、サーブ&ボレーを磨いたことが大きいと思う。
ラリーで圧倒できなくなった分、サーブとフォアとボレーで一気に仕留める。
まさにかつてのマシンガンとは一転して、スナイパーライフルで戦っている印象。


でも、それではというか、やっぱりビッグ4には通用しなかった。
昔コーチに言われたことがある。
「2つ以上の武器がないと、世界では勝てない。」
もちろん弱点がない上での話です。


サンプラスなら、サーブとボレー。
アガシなら、リターンとフォアとバック。
かつてのフェデラーなら、
サーブとフォアとバックスライスとボレーとフットワークとテクニックと・・・(以下省略)


最近のフェデラーがなぜ勝てないのか?
それはたぶん、絶対的な武器であったフォアが若干衰えたこと。
それとなにより、バックが弱点に変わってしまったこと。


昔はそれこそ、フォアで一発打てば主導権を握れたのに、
今のビッグ4は、2、3球であればフツーに返してくる。
そして致命的なのが、奴らは困ったらとりあえずフェデラーのバックに打つようになった。
もはやフェデラーのバックは、ツアーでも結構フツーなレベルまで落ちてると思います。
以前ならガスケとはいかないまでも、それに次ぐくらいの、クエルテンぐらいの威力はあった。


今回のウインブルドンの決勝戦。
フェデラーは、ストローク戦でポイントを奪うことがほとんどできなかった。

2セット目でスライスを多様した場面もあったけど、
一瞬で対応されてしまい、そこからはポイント獲る術が、
サーブとフォアで前行ってボレー、しかなくなってしまった。


じゃあ、なぜここまで競れたかって?それはサーブが凄まじく良かったから。
この試合でフェデラーが奪ったサービスエースは、実に29本とジョコビッチの倍以上。
しかも要所要所でしっかり入る。これは純粋に「すげー!」と思って観てました。
1stセットが取れたのも、4セット目のマッチポイントを握られたゲームを凌げたのも、
サーブ力のおかげだったと言っていいと思います。



スナイパーライフルは、走りながらじゃ当たんない。


前にも書いた気がしますが、テニス選手はみんな性格が悪いです。
ナダルもそうだけど、ジョコビッチも負けてない。
ムチャクチャ上手かった。ほんと腹立たしいほど。
しっかりとした戦術と技術で、フェデラーを沈めた戦いだった。


ジョコビッチは、異常なほどフォアのダウンザラインを使ってきた。
フェデラーのバックを打たせようと。
ここで大事なのが、打たせるだけでいいということ。
なにもエースじゃなくていい。もっと言えば弱いボールでもいい。
だって何度も言うけど、それでもう、フェデラーは攻めることはできないのだから。
それくらい今のフェデラーのバックには攻撃力がない。


しかも相手は世界1、2を争う守備力の持ち主。なんも怖くない。唯一・・・


前に来られるのは、ちょっと嫌かもなぁ。


ぐらいにしかジョコビッチは思ってなかったと思う。
3球とか4球連続でフェデラーがフォア打ったシーンないんじゃないかな?


この作戦は単純だけど、フェデラーにとっては結構つらい。
バックのクロスラリーを延々とさせられて、
ジワジワと攻められて後手に回らざるを得ない。
ミスりたくないから、スライスでなんとか凌ぐしかない。
(かなりいいスライス打ってるんですけどねw)
もう聞き飽きたと思いますが、
バックの攻撃力の差は8:2くらいでジョコビッチに分があるので、
全然攻撃にできない。たまにストレート打っても、またバックに返されるので意味がない。


結局、フェデラーがバックをミスするか、
ジョコビッチが回り込んで展開して、
フェデラーがフォアでカウンター狙ってアウトする。
このパターンがほとんど。


どんなに威力のある銃を持ってても、
(事実、スナイパーライフルは銃の中でもトップクラスの威力を持つ)
しっかり構えないとそりゃあ精度を欠く。


昔みたいに足腰で踏ん張って、一発ドカーンがもう打てない。
新しいスタイルのウィークポイントがもろに露呈した。というか、露呈させられた。
それくらいジョコビッチの戦術と、それを実行できるスキルが見事でした。




批判ばっかしてないで、なんか良い策ないの?



と、言われそうなので、それについても書こうと思います。
策はあると思う。もっと言えば、僕はまだ、
フェデラーにはグランドスラムで優勝するチャンスがあると思っている。
ATPツアーとかは多分まだまだ十分勝てると思います。
あのテニスができれば。なぜならATPは3セットマッチだから。



テニスって最後の方になれば、
サーブをブレークされる確立が高くなるのは、
言ってしまえば当然のことなんですよ。


疲れとか緊張で1stサーブが入らなくなるのももちろん、
なにより相手にコースを読まれやすくなるから。
試合が長くなればなる程、
相手がサーブで打ってきたコースのサンプル数ができるので、
読みやすくなるんです。



だから終盤になればなるほど、
セカンドサーブのポイント獲得率とリターンが大事になる。
最後のジョコビッチがそうでした。


フェデラーが良いサーブを打っても、全部返してくる。
フラット気味の速いリターンが深く返ってくる。
サーブのアドバンテージが何も受けれないフェデラーは、
ストロークではなかなか勝てないので、ブレークされやすくなる。


3セットマッチならごまかせるけど、5セットマッチではそうもいかない。
だから、これから書くのはフェデラーが5セットのグランドスラムで優勝するために、
もっと言うなら、ビッグ4にちゃんと勝つためにやってほしいこと。






1、もっと、バック練習しよーぜ!


これはもう基本中の基本。なにもエース決めろって言ってるんじゃない。
とりあえず、自分からミスらないくらいまでレベルを戻してほしい。
以前は本当にミスらなかった。全豪でのサフィン戦とか、
マスターズ最終戦でのナダル戦とかでは、ちゃんとできてたじゃん。
ラリーができないと展開もクソもないんで、ここはお願いしますよ、ほんと。





2、もっと、アタマ使おーぜ!


てめーが言うんじゃねえよ、と言われそう・・・。
でも見ていて、本当にそう思うんだよな。
もっと考えて配球しろよ、って言いたくなる。
錦織とかは、これが本当に上手。


フェデラーしか持ってない武器のひとつに、バックのスライスがあります。
このスライスは本当に天下一品で、たぶんシングルスで戦っている選手の中では、
テニス史上No1なんじゃないかってぐらい。


ビッグ4が相手じゃなければ、あのスライス打ってれば問題ないくらい、
キレのいい滑るスライスを打てる数少ない選手なんですフェデラーは。
特に踏み込んで切り下ろしたときのボールは、異常なノビとキレを伴って飛んでくる。


でもビッグ4には通用しないんですよね。
正確に言うと、通用する場面はあるんですけど、
防御でしか使えない。攻めにはならない。
慣れられると逆にチャンスボールになり、攻められちゃう。
だから相手に慣れられさせちゃダメなんです。




3、もっと、スライスをストレートに流そーぜ!


たしかに相手のフォアに持っていくので、
リスクある選択に見えるんですけど、
あの滑るスライスを持ち上げながら角度をつけるのは至難の技です。
ネットしやすくなんで。アングルはまず打たれない。


事実、ジョコビッチも2セット目で、よくネットにかけていた。
仮にもう一度、相手にストレート打たれてもまた打てばいい。
要は、自分のフォアに打ってくるのを待つ。
そうすれば、ある程度構えられる状態で、
ライフル銃を使うチャンスがやってくる。
フォアが打てれば主導権は自分に来るから、
ネットにも行きやすくなる。


とにかくフェデラーは、バックを打たされまくっちゃダメ。
なんとかしてフォアを打たないと。それにはあのスライスが絶好の導線になる。
もともとフォアだから回り込まれないし、芝ならむちゃくちゃ滑る。
これと順クロスを織り交ぜれば、相手もなかなか構えて打つことが出来なくなるし、
迷いを生じさせることができる。


あのサーブを維持しながら、上記の3つができたら、
少なくともベスト4には毎回入れると思う。
あとはその日の調子にもよるけど、勝つチャンスは増えると思うんだよなー。


誰かこれ英訳して、フェデラーのFacebookに直メしてほしいぐらいだ。
それでアドバイス料として1億くらいくれないかな。なんてね。







それにしても・・・。
かつては無敵に思えた選手でも、
ちょっとずつ衰えて、周りに攻略されて、
だんだん勝てなくなってしまうもんなんだな。


勝てなくなったと言っても、それはグランドスラムの優勝っていう
フツーの選手からしたら一回でも達成できたらスゴイことなんだけど。
かつて強すぎて嫌いだったフェデラーを、こんなにも心の底から応援して、
負けたことを悲しむ日がくるなんて思ってもみなかった。



そう遠くないうちに、
ナダルも走れなくなって、パスが抜けなくなって、
若手にもドンドン負けるようになっちゃうのかな。そんなナダル見たくない。


まぁ、それがテニスというか、スポーツのいいところなんですけどね。実力ありき。
地位とか実績ばかりが先行して、正当な判断がされないよりよっぽど良い。



これからハードコートシーズン。
もう一度、フェデラーがグランドスラムで優勝するのを見たいなぁ。











プレッシャーなんて撥ねのけろ!




こんなことを言うコーチは、間違いなくダメコーチだと思う。


理由は簡単。
プレッシャーを撥ねのけることなんて不可能だから。
どんなに言葉で「強気!強気!」と自分に言いきかせたところで、
強気になったこともないし、なってそうな人も見たことない。
そもそもが間違っているのだ。僕の持論ということにしておくが、
プレッシャーは撥ねのけるものではなく、受け止めるものなのだ。

「ああ~、ビビってんな~俺。」


こう思ったときの方が、かえっていいプレーや振る舞いができた記憶の方が多い。
テニスの試合でも。就職活動の面接でも。はじめてのプレゼンでも。
こう思うことでなぜだか、でも確かに心がふっと軽くなる。
自分自身を客観視できる感じで、他人事のように思えてくる。
そして次に巡ってくる考えが、

「逃げてーなー、帰りてーなー。」


である。完全にダメな流れ。
と思うかもしれないが、ここからが面白い。

「もうどうでもいいや。負けても死ぬわけじゃない。」


あきらめ早すぎ。
と思うかもしれないが、
ここから生まれてくる感情が面白い。

「もうどうでもいいや。負けても死ぬわけじゃねーし。
ここで勝てなくたって、楽しいことまだたくさんあるし。
でもここで辞めたら周りにチキンとか言われて笑われそう。
それはなんかムカツクな。
なんであんな奴にそんなこと思われきゃいけねーの?」



プレッシャーで不安だったのが、
なんか変な安心感と怒りにすり替わっていくんです。
そうやっていくらか強気になれる。不安も少し忘れてる。
少なくとも「強気!強気!」と、
何の根拠もない言葉をつぶやいていたときより、数倍いい。


これは使える!そんなアホみたいなことを考えていた大学生のとき、
ナダルの自伝「MY STORY」で、こんな文を見つけた。

「意外かもしれないが、僕にとってテニスは所詮ただのゲームでしかないんだ。
家族や友達、彼らと過ごす時間の方がずっとずっと大事なんだ。」


かっこよすぎてヒキましたね。とても2コ上の言葉とは思えない。
でも思ったんです。ナダルも同じことやってんじゃん!って。

要するに達成したいことを、もっと重要なことと比べて、
ちっぽけなことだと思い込む。そうすると自然に安心感が生まれる。
八つ当たりまでやってるかどうかはわかりませんが。
でもマッケンローとか絶対やってんじゃないかな。たぶん。


日本代表の選手はあと2試合、すさまじいプレッシャーの中プレーするんでしょうね。
まぁ代表になるということは、そういうことなので当然なんですが。
口にしなければ、心の中で思うぶんには叩かれないだろうから、
どうか是非一回あきらめてみて、もっと大切なことと比較してみて、
不安を安心感とか、なんなら怒りにすり替えて戦ってほしいもんです。
そうすれば、きっといくらか日本らしいプレーができるんじゃないかな。

ギブミー1クリック。






ウインブルドンは、広告にうるさいことで有名だ。


試合会場にロゴを出せるスポンサーは限られている。
僕が記憶してるのは、ロレックスとスレセンジャー(テニスボール)だけ。
選手が着るウエアの色から刺繍ロゴの大きさまで、細かく規定されている。
かつてナダルの履いていた海賊パンツが、物議を醸したのが懐かしい。


そんな中、1つだけその網をくぐり抜けているモノがある。



それは時計。



注意深く見ていると、時計メーカーと契約している選手は試合が終わると、
サッとバッグから取り出して腕にはめてコートを去って行く。
その間わずか3分程度。たった3分かと思うかもしれないが、
逆に言えばその選手が勝ち続けるほど、
そのブランドを世の中に広く告げることができるのだ。


フェデラー全盛期時代、ロレックスは笑いが止まらなかったに違いない。
なんせ、ほぼ全ての大会で決勝に行くんだから。


決勝に行けばスピーチもする、トロフィーももらう。
当然そのトロフィーを持つ手に巻きつけられた時計は、
雑誌や新聞などの他のメディアにも掲載されることになるわけだ。
時計メーカーが上位選手と契約したがる理由がよくわかる。


ここ最近、ちょっとした話題となっている時計ブランドがある。
それはナダルの着けているリシャール・ミルというブランドの時計。


値段は、8100万円!!!











なんなんだ、この人を舐めたような値段は。。。
なんでもF1のシャーシに使われてる素材でできているんだとか。
値段もさることながら、このメーカーがナダルと結んでる契約がすごい。
それは試合中だけでなく、私生活においてもずっと着用するというものだ。
(憶測だがほぼ99%あってる。)

いったいどれほどの契約料なんだろうか?
気にならないと言えば完全な嘘になるけれど、
僕が驚いたのは値段以上に、ナダルがその条件を飲んだこと。


知ってる人もいると思うが、ナダルはものすごく神経質な人間だ。
ベンチ下に置くドリンクの位置はミリ単位で決まっている。
グリップの感触を忘れないためだと思うが、
コートに入場するときも、バスルームブレークで離れる際も、


必ずラケットを握っている。


そんな男が、時計をして試合をしたら感覚が狂いそう。
と言わないなんて、まずありえない。
なんで着けることを決断したんだろうか。
自ずと答えが見えてきてしまいそうだが・・・。


色んな契約の形があるけれど、1つだけ確実に言えることがある。

それは時計メーカーほど、スポーツ選手の強さ、人気、そしてイメージを
重視するスポンサーはいないということだ。


2012年にタグ・ホイヤーと契約した錦織。
結んだ契約がどのようなものなのか詳しくは知らないが、
世界が錦織を認めたひとつの証であることは間違いない。


もうすぐ始まるウィンブルドン。
ぜひ誰がどんな時計をしているか、試合に飽きたら、
そんなところに注目してみるのもアリだと思いますよ。




ギブミー、1クリック。




ナダルが5連覇を達成したローランギャロス。

4大大会で最も長い戦いであることに加え、今年は1stウィークは雨雨雨。2ndウィークは30°を越す暑さ暑さ暑さ。印象的だったのは、クレーコーターと対戦する選手たちの辛そうな顔。ウイナーを取ってもエースを決めても、どこか浮かない顔。こんな時は99%の確率で、こんなことを考えている。

「これ、5セットもやんの?」

テニスって過酷なんです。サッカーのようにミスを帳消しにしてくれる仲間はいない。野球のように1発で4点入る逆転満塁ホームランなんてものもない。ただただ、1ポイントを積み重ねていく競技。しかも、ほとんどのポイントが相手のミスによるもの。

「ああー、めんどくせーなー」

さすがにプロは仕事だからここまで思わないだろう。とか思うかもしれないけれど、絶対に思ってますよ。あ、ちなみにテニス選手は圧倒的にドSが多いです。相手の嫌がる顔を見て快感を得ている生き物です。僕もそうです。左利きを活かして、相手のバックばっかり狙います。実業団でおじさんと当たれば、ドロップショットばっか打ちます。みんなそうです。テニスの上手さと性格の悪さ(コート上)は正比例します。というより、そうじゃないと強くなれません。勝てません。基本的にみんなどこか捻くれてます。そんな人種の人同士が戦うんだから、大変大変。クレーコートなんて、文字通り、泥試合。

テニスは頭が良くないと勝てない。なんて始めた当初に親に言われましたけど、20年以上やってきて身にしみるほどわかります。でもみんな捻くれてるから、スマートとは言わないんですよね。ずる賢いほうのクレバーという言い方を海外ではするんです。でもこの賢さが、クレーではかえって自分を苦しめることがあるんです。

上手い人は賢いので、ちょっと先のことを考えてプレーします。ここは様子見だな。ここはブレイクしにいこう。など。そのときの状況を踏まえて、力をセーブしたりもします。大局を見れるんです。見ちゃうんです。これがダメ。特にクレーにおいては。

それは、勝利までの途方もない道のりを再確認してしまうから。大嫌いな数学の参考書のわりと最初のほうで、「あと何ページやらなきゃいけないんだろう?」と疑問を持ってしまい、「うわ、まだこんなにあんの?」と、先が長いことを知ってしまったときの、あの感覚に近いです。


僕はナダルがクレーで異常に強い理由は、実はここに隠れていると思うんですよね。

・ピンポン球のように跳ねるフォアハンド
・チーターを狩れるんじゃないかのような足の速さ
・どんな劣勢からでも打ってくるバズーカー砲のようなパス

彼の強さをあげればキリがないんですが、
もっと根幹的な強さがナダルには2つある気がします。
その1つが・・・

相手を萎えさせる力。

簡単に言えば、「うわ、まだあとこんなにポイントとらなきゃ勝てないの?」と思わせる力です。ジョコビッチがとあるインタビューでこんなことを言ってました。

Q、ナダルに対してどんな印象を持ってますか?
A、「勝負師。どんなポイントも、まるでマッチポイントのようにプレーする男。」


典型的に捻くれた奴なんですよ、ナダルって。譲り合いの精神がないんです。どんなに意味を持たなそうなポイントでも、あきらめない。仮に相手のサーブで40ー0だったとして、錦織とかフェデラーはこう考えてると思うんです。

「このポイントとっても、どうせブレイクできねーなー」

プレーに出ますよねー、こういうのって。特に錦織はわかりやすい!それも一つの戦術なんで、別に悪いわけではないんですが・・・。けどナダルさんは違うんです。とりあえず全力でプレーしてくるんです。もうバカなんですよ。でね、お客さんってどっちが勝とうと基本的にはどっちでもいいんですよ。一部の熱狂的なファンを除いては。そりゃある程度は、こっちに勝ってほしいなーっていうのはあるけれど。一番望んでるのは、その試合が長引くことなんです。いやはや、テニスは観客まで性格が悪かったのか。

でもそうなんですよ。せっかく高いチケット買って見に来てるのに、6-0、6-0、6-0の1時間で試合が終わっちゃったら、誰だって「つまんねーの」ってなりますよね。どっちが勝つか最後までわからない、「あ、ビビってるな、こいつ。」「うわ、ここでそんなプレーする?勇気あんなー」とか、そういう選手の心の振動がプレーに出るのを望んでるもんなんです。

だから客は、頑張る方を応援するんです。やっぱり全力で戦う奴が好きなんです。ナダルとかヒューイットにファンが多い理由はこれです。だから嫌なんです。戦ってる方としては。気づけば観客まで向こうを応援してる有様。バカは強いですよ。お利口さんよりもずっと。なんてコピーがありますが、まさしくその通りです。

この相手を萎えさせる力が、打っても打っても決まらないクレーコートの特徴と相まって、通常の何倍にもなる。もはや相手に絶望感を抱かせる程の力を生むんです。8月31日、夏休み最後の日に途方もない量の宿題が残っている現実を突きつけられる、まさにあの感覚に近いです。


まだあるんです、ナダル先生の強さのヒミツ。
2つめは・・・

謙虚さ。

よく試合で、このまま普通にやってれば勝つなー。っていう状況で変なことをやってくる人っているんですよね。典型的なのがサーブ&ボレー。つぎに多いのが、すぐエース級のボールをドンドン打ってくる。

一見すると流れをなんとか変えようとする勇気ある行動なんですが、これはっきり言って1ミリも意味ないんです。いやむしろ逆効果。マンガ「金と銀」に出てくる蔵前も言ってますね。

「瀕死の奴は、必ず死に急ぐ。みんな待てないんだな。」

典型的な例が2006、2007、2008年の全仏のフェデラー。もう最後どうしようもなくなると、サーブ&ボレーに行く。行ってしまう。そんで抜かれる。抜かれる。バシバシ抜かれる。あーあ、もう終わりだなーって、ちゃんと見てる人は思ったはずです。

その点ナダル師匠は違います。彼は自分に何ができて、何ができないかをよく知っている。だから最初から最後まで、同じプレーをひたすら繰り返す。ノリでサーブ&ボレーなど絶対にしない。むやみにエースを狙いにいったりもしない。

フォアで、ひたすら相手のバックバックバックバックバックバックバックバックバックバックバック。バックバックバックバックバックバックバックバックバックバック。(以下省略)

片手バックの選手にとっては、ほとんどリンチです。
しかも捻くれてると思うのが、

「先輩!僕、このプレー、最後までできますんで!」

というオーラを体中から発してくる。
もうやんなっちゃいますよ。こんな奴いたら。誰だって。
で最終的には、みんなこう思うんですね。

「こいつと5セットとかムリポ。orz」

いいんだよ、嫌になっても。それが普通さ。人間だもの。(みつを)ナダルに勝つには今のところ、終止テニスのプレーのレベルで上回るしかないんですね。もう先手先手で、とにかく後先考えずに攻めてみる。ちょうど、フェデラーがたしかナダルとの2006年の決勝で、ファーストセットを6-1で取ったときのように。最近で言えば錦織がマドリードでみせたように。


ナダル殿は、今年でローランギャロス9勝目。バケモンですね!グランドスラムの通算タイトルでも14勝と、ピートサンプラスに並んだ。一方、フェデラーが17勝で、たぶん2年間ぐらい止まってる。ひょっとすると、史上最高のプレーヤーとして新たな名を刻むのはナダルなのかもしれない。全然可能性あるある。

ナダルは今、28歳。彼のプレースタイル的に30歳を越えたら、さすがに今のプレーはできなくなるだろう。そう考えると、フェデラーを越えて、前人未到のグランドスラム18勝を達成するには、2年間であと3つ。彼ならやれそうだし、やりそうだ。

だとすると、なおさら今度のウインブルドンが大事になってくると思うんですよね。フェデラーとしても、ここいらで復活してもう1勝しておきたいところだから、どちらにとっても、ここがキャリアとしての正念場になる感じがする。しかも2人とも昨年は1コケと2コケという、ふるわない結果だし。

これは見逃せない。そう考えると、
ほとんど観てないから今月こそ解約しよう
と思ってるWOWOWにまだ電話ができない。