嘘の参拾六 「埋もれていたデータ」 (続) | 夢破窓在のブログ

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嘘の参拾六 「埋もれていたデータ」 (続)

I132のガンマー線は0.668MeV、Cs137のガンマー線は0.6617MeV。
ピークはほぼ重なると思えます。
ゲルマニウム半導体検出器を用いたからと言って判別できるのでしょうか?
十分な量の試料と、十分な時間をかけてもこの分析は困難と思われます。
Cs137はこれ程早く飛来できたのかは疑問ですが、ベントで放出されたことは明らかです。福島由来の核種が存在したというのなら必ず含まれています。どのようにしてI132と分別したのでしょうか?

テルルはどのようにして東京上空までやって来れたのか?
  3月12日  14時30分  1号機ベント
  3月15日   3時     41.6ベクレル検出
          10時     1205ベクレル(ピーク) 

 227.1kmを60時間程で到着していますから移動速度は時速3.8km
 金属テルル 比重6.24
 二酸化テルル 不溶性

水酸化セシウムはその水との強烈な親和力から、湿気に滲んで飛んできます。
それでもSPEEDYとやらの図では風向きが逆ですから東京までやってくるのは簡単ではありません。それなのに、親和力とは無関係な重たい半金属の物質がどうやって時速3.8kmで移動出来たのでしょうか?
人の歩行の速度は時速4kmと言われています。実際はこれより少し早く歩いているようです。しかし、200kmを休まずあるくとなると時速3kmでは無理でしょう。
Te132は人の歩行速度より早く移動できるというのです。

2号機が具合が悪くなった15日にピークになったと書いてありますが、2号機が放出したテルルは瞬間移動したことになってしまいます。
15日のピークは2号機とは無関係であることは明らかです。

測定作業にも疑問が残ります。
濾紙で漉き取ると、沃素のような昇華する物質は吸引作業で気化して、量が減るのではないか?沃素をこんなやり方で採取して正しい結果が得られるのか?

濾紙のメの中に入り込んだTe132を測定器にかけるには濾紙を溶かし込んで試料を作成する必要があります。試料が出来るまでにどの位の時間を要するのか?

ゲルマニウム半導体検出器
 測定に必要な時間     30分~14時間
 検出限界           10Bq/kg(対象や所要時間によって異なる)
 試料必要量          100g又は2kg

1時間おきに何枚かの濾紙で空気を漉き取って、試料を作って測定器にかけて、その結果が出るまでにどれ位の時間がかかったのでしょうか?
1時間以上かかってしまうと次の試料を待たせることになります。

採取してから2時間以上が経過すると、採取したI132は半分に減ってしまいます。
これに新たにテルル132が2時間で崩壊した分が加わるのですが、「東京の10時台のピーク時にI132が280ベクレルだった」などと測定出来たとは思えません。

「ピーク時には1時間おきに測定した」とありますが、濾紙で漉き取っていた人はどうやって、今がピーク時だから1時間おきに測ろう、と判断したのでしょう。結果が出るたびにその報告を受けていたとしても、ピークが来るなんて事前に察知出来たのでしょうか?ピークに合わせて検査のタイミングを決めていたなんて有り得るでしょうか?

3月15日分は日本分析センターに委託してベータ線核種の放射線濃度も測定していた。
日本分析センターに持ち込んだのは何時のことなのでしょうか?
1個のサンプルのベータ線解析にはどれ程の時間を必要とするのか?

ベータ線というのはどれもが同じ「電子」が飛んでくるものです。最大値は核種によってことなりますが、平均値は3分の1、電子の速度やエネルギーを解析しても定量分析することは出来ません。
化学的に決められた手法で、テルルであればテルルのみを抽出して測定する必要があります。簡単な話ではないと思います。

ストロンチウムの計測では急いで2週間、正規にやると1ヶ月かかると言われています。半減期が29年のストロンチウムだから測れるのです。
分析センターに届いたのは現場で採取されたI132ではなく、その後濾紙の中で生成されたI132になります。I132はTe132と結びついて4沃化テルルという物質になります。試料を作るにはこれを分解して、一緒に入ってきたセシウムなど12種類と言われる、「おびただしい数の」核種を除去しなければなりません。
Te132だけを、I132だけを分別しなければなりません。
濾紙に採取してからベータ線の測定までに10時間もかかっていたら、測定されたI132の数字は測定された環境とは関係ない、運搬中のテルルの崩壊の一部ということになります。
手際よく2時間でI132が分離できたとしても、その過程でI132は半分になっています。

もし試料にI131が含まれているのだとしたら、I132との分別が出来ず、判別が不可能と思われます。12種類の核種にI131は含まれていないのかどうか公表して欲しいものです。

チェルノブイリの1000倍という話もいかがわしい話です。

3月15日のピーク時のデータが1205ベクレル。これがチェルノブイリの事故後測定した数値の1000倍の根拠だと思われます。発言者は数百ベクレルと適当な数字を挙げていましたが、最大値は1205ベクレルのようです。
これが1000倍だというのですから、チェルノブイリの時の測定値は1.205ベクレルだったと思われます。
ゲルマニウム半導体検出器の検出限界は10ベクレル/kg。
1.2ベクレルなんて本当に測定できたのでしょうか?
テルル132などという半減期の短い物質がチェルノブイリからはるばる届いたということも考えられません。

「1時間浴びていると被曝量は20マイクロSv。」と発言しています。
私の計算では肺の中での被爆量が3.437x10^-4マイクロSⅴ/hr。
大変な差ですね。どういう計算をすると1205ベクレルから20マイクロSv/hrが導き出せるのでしょうか?

チェルノブイリの1000倍ということは、「殆どゼロ」の千倍という事です。
比較に持ち出すなら中国の核実験の時の降下量にするべきです。
何倍になるのでしょうか?

口から出任せ、嘘だらけ、放射脳の世界はこんな奴らばかりです。

(修正: 2014 8月5日)

I132は2本のガンマー線を放出します。
 0.668MeV(98.7%)
 0.773MeV(75.6%)
0.773MeVのガンマー線はゲルマニウム半導体測定器なら分別測定できそうですので、冒頭の記述は誤りです。
一方Cs137はI132の存在する状況では正確な数値は測れません。