米中の相互依存関係 | 幸福実現党・学生部

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はじめまして。京都在住の馬場光太郎と申します。:-)
京都大学経済学部で勉強しております。
好きなものは落語。苦手なものは朝でございます。
どうか、お手柔かに願いまする。m(. .)m

■米中の相互依存関係(人民元とグローバルインバランス)

 日本の防衛問題を考える際には、アメリカがどれほど宛になるのかを考える必要がある。「アメリカが有事に日本を守るかという問い」は「アメリカが有事の場合、本当に中国と戦うことができるのか」という問いも含んでいる。従って、アメリカと中国の関係を見ておく必要がある。経済的には現在、アメリカと中国は相互依存関係にある。

 アメリカと中国の間には大きな貿易不均衡が存在している。(グローバル・インバランスという) アメリカが大きな貿易赤字を出し、中国が大きな貿易黒字を出している。一方中国は、その貿易黒字分で大量の米国債を買っている。アメリカにとってはジレンマである。

 議会の中では輸出業や製造業を代表し、貿易不均衡の是正を強く求める声が出ている。具体的には人民元の切り上げを要求しようとしている。本来なら中国製品のほうが、米製品よりも買われている状態なので、中国の通貨である人民元の需要が高まり、人民元の価値はドルと比較して上昇する。すると同じ100元の商品はアメリカ人にとっては以前よりも高くなる。中国製品への需要は減少し、貿易不均衡は調整される。しかし中国は人民元をドルにペッグし、実質的に為替を固定してしまっている。毎朝、中国人民銀行が「今日は1ドル8.09元から8.11元だな」と決めて、その範囲内に為替レート変動が収まるように為替介入をする。アメリカ議会はそれを批難している。

 中国は人民元を低く抑えたい。服や野菜や部品などを(国内ではあまり売れないので)先進国に売って生計を立てている人の多い輸出主導型の経済構造を持っている。統治の正当性が微妙な共産党にとって経済成長は国内安定を守る(共産党支配の正当性を示す)大きな要素である。輸出産業、製造業を守り、失業率を抑えたい。

 しかし、これは単に米中が国内産業保護で対立しているというだけの話ではない。中国はドルの価値を左右できる立場に立ってしまったからだ。中国の企業は儲けたドルを銀行で人民元に替える。そこで中国人民銀行がドルと元を交換する。この段階で人民銀行は元を刷っているので元の価値上昇を防いでいる。人民銀行の手元にはドルが残る。手元に持っていてもいいが、持っているお金を誰かに貸して利子を取らないというのは、儲ける機会を放棄しているようなもので、経済学的には損にあたる。(機会費用) そこで人民銀行は米国債(その他の債券も)を購入しているのだ。つまりアメリカにお金を貸してあげている状態である。その額は貿易不均衡の額と同時に膨らんだ。
(リーマンショック時に貿易不均衡は縮んだが。米国民の消費が大きく落ち込み、中国製品の輸入が減少したため。) 
中国はその気になれば国債を売り裁き、米国債価格を暴落させ、国債価格と大きく連動しているドルを暴落させるかもしれない。(中国の持っている米国債の価値を目減りさせることにもなるが。) 

 大きな借金を中国のおかげでファイナンスできているアメリカは強くは出られない。中国が為替操作(現レートでの固定)を止めれば、人民銀行が刷った人民元と引き換えに得たドル(外貨準備)を米国債購入にあてることはできなくなる。米議会は元切り上げ要求をするが、米財務省にその気はなさそうだ。中国もG20を前にわずかに切り上げ(弾力化)をするなどして圧力を回避しようとしている。

 すくなくとも日本を守って中国と一戦交わすという時にアメリカはドルの暴落を覚悟する必要があるかもしれない。当然中国もそれは考えているだろう。日本に手を出すときにはアメリカが口を出せない状況に持って行くはずだ。それでもアメリカは守ってくれるだろうか。

馬場光太郎