日本に生まれて感謝! | 健康幸せ活き活き習慣

日本に生まれて感謝!

「日本に生まれて感謝!」というお話です。

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前侍従長、渡邉充氏の心に響く言葉より…

平成8年12月から平成19年6月までの10年半、私は侍従長として天皇皇后両陛下にお仕えしてきました。

侍従長とは、皇居の中でのお仕事はもちろんのこと、国内の行幸啓や外国ご訪問の際にいつも両陛下のお側にいて、庶務を執り行う。

言うなれば、両陛下に仕える執事、秘書役といったところでしょう。

そのような仕事を10年半もの間、務めさせていただいたことは、大変有り難いことでありましたし、私の77年の人生の中で最も大切な時間であったと思います。

両陛下がお出ましになる大きな行事や式典は、休日や祝日に行われることが多いため、5日働いて2日休むという生活のリズムもないのです。

そこまでしてご公務に邁進(まいしん)される陛下の根底にあるもの…それは「国民のために」という思いにほかなりません。

陛下のその思いが1つの形として具現化される場が「宮中祭祀」です。

宮中祭祀とは、陛下が国家国民の安寧と繁栄をお祈りになる儀式のこと。

陛下の1年は、元旦朝5時半から執り行われる「四方拝」で始まります。

外は真っ暗、しんしんと冷えている中、白い装束を身にまとい、神嘉殿(しんかでん)の前庭に敷かれた畳の上に正座され、伊勢神宮をはじめ四方の神々に拝礼される。

陛下が執り行われる宮中祭祀は年間20回程度ありますが、その中で最も重要とされる祭祀が11月23日の「新嘗祭(にいなめさい)」です。

その年に収穫された農作物や海産物を神々にお供えになり、神恩を感謝された後、陛下も自らもお召し上がりになる。

夜6時から8時までと夜11時から深夜1時までの2回、計4時間にわたって執り行われ、その間、陛下はずっと正座で儀式に臨まれます。

我われも陛下がいらっしゃるお部屋の外側で、同じように2時間正座を続けるのですが、これは慣れている人でも難儀なことです。

私は毎年夏を過ぎると正座の練習を始めていました。

ある時、陛下のもとに伺うと、居間で正座をしながらテレビをご覧になっていたことがありました。

やはり陛下も練習をなさっているのかと思ったのですが、後からお聞きしてみると、陛下はこうおっしゃったのです。

「足が痺(しび)れるとか痛いと思うことは一種の雑念であって、神様と向き合っている時に雑念が入るのはよくない。

澄んだ心で神様にお祈りするために、普段から正座で過ごしている」

その取り組み方1つとっても、もっぱら肉体的な苦痛を避けたいと思っていた私とはまるで次元が違うと感服した瞬間でした。

宮中祭祀の多くは国民の祝日に行われています。

つまり、私たちが休んでいる時に、陛下は国民の幸福をお祈りされているのです。

そのことを私たちは忘れてはなりません。

私が10年半お仕えしてきた中で、両陛下の生き方から数多くのことを学ばせていただきましたが、特にここでは2つのことを挙げたいと思います。

1つは、決して物事を蔑(ないがし)ろにしたり、いい加減にしたりなさらないということです。

昭和62年、両陛下が皇太子皇太子妃の時に、アメリカをご訪問されました。

そこで両陛下のお世話をしたアメリカの儀典長が後に出版した自身の回想録の中で、次のように書いています。

「両殿下は、レセプションではゆっくりと人々の間を歩かれて、顔を合わせた人と表面的な挨拶ではなく本物の会話をなさっていました。質問をしては、その答えに実際に聞き入っておられ、人々が群れ寄ってくるのにも気がつかれないようでした」

「ワシントンのホスピスで、妃殿下が老人の一人ひとりに示された優しさに心を打たれました。実はこの時だけは仕事中に涙が出て、止めるのに苦労しました」

常に本気で質問をなさり、本気で話を聞いておられる。

もう1つは、非常に勤勉でいらっしゃるということです。

那須の御用邸にご静養に行かれても、必ず近くの農家を見に行くとおっしゃって、農家の人々を激励されています。

どこに行ってもぼんやり休むということは決してありません。

「日本国憲法で、天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であると想定されています。この想定と、国民の幸せを常に願っていた天皇の歴史に思いを致し、国と国民のために尽くすことが天皇の務めであると思っています」

これは平成10年の天皇誕生日での記者会見の席で、天皇の務めは何かという質問に対して陛下がおっしゃったお言葉です。

その上で、

「象徴として最もふさわしくあるためにはどうすればいいかということを日々模索しながら今日までやってきた。私に言えることはそれだけだ」

ということもおっしゃっています。

こうして、常に国家国民の真の幸福を願われ、絶え間なく働かれている両陛下のご日常は、まさに道場だといえるのではないでしょうか。

私はこのような両陛下がいらっしゃることは、日本国にとって非常に幸せなことだと思うのです。

そして、私たちは両陛下の生き方に一歩でも近づくべく、人格を磨き高めていかなければなりません。

そのことを心に据えて、私自身これから残りの人生を全うしていきたいと思っています。

『月刊 致知 2013年7月号』致知出版社
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きょうのお話も、昨日と同様に、「日本に生まれて感謝!」ですね!