父が亡くなった。



心がもやもやする。

胸のあたりがぎゅうぅって

締め付けられるような苦しさ。


人は大事な人を亡くしたときこんな想いになりますか?

皆同じですか?



先日、

わたしが幼少期に父母と暮らしていた頃の居住地のある区役所から、突然連絡が来た。


「親族である○○さん(わたしにとって実の父)が亡くなられたので…」


え…


言葉が出ず目の前が真っ白になった。



父と母は離婚、

わたしは父の戸籍を抜け

およそ30年もの月日を離れ離れで過ごしてきた。


突然、なに?


あれから父はどうしてるのかふと思い出すことはあったけれど、会うことはしなかった。


だけど、

………会うべきだった。

話すべきだった。


生きているうちでしか、できない。


心がもやもやする。

後悔してるんだ、わたし。




これから戸籍謄本取りに行ったり、

家庭裁判所とやりとりしたり、

が必要だと。

事務的な手続きに虚しさを感じる。


まだ詳しくは聞けていないのだけれど。



どうやら父は1ヶ月前に亡くなり、

火葬も済んだようだった。

身元を引き受けられる人おらず、

区役所が父のルートを辿り実子であるわたしに辿り着いたらしい。


なに、これ。


父の居場所が30年ぶりに分かったと思ったら、

死亡した時の住所がここです、って。

たった一行の情報。

わたしが父と母と暮らしていた住所と変わっていなかったようで。


ずっと父はそこで暮らしてきたんだなと。

30年間、そこで。


人はいつか死ぬ。


そんなの分かりきっていたのに、

一度も行動できなかったな。


おじいちゃん、おばあちゃん子だったわたしだから、

祖父母が亡くなったときももちろん泣いたけど、

今回の父の死には、なんだか違う胸の苦しさを感じる。



空白の期間に、

何も知らされぬ期間に、

父がどう生きてきたのかもわからないまま、


突然の、亡くなったという連絡。


相続人代表とか、

なにそれ。


そうじゃない。


そんなんじゃなくて、

もっと、少しでも、

死ぬ前にひと目会って話せば良かった。



父には別の家族がいて、

幸せだったらそれでいい。

それがいい。


そう思っていたけれど、どうやら父は母と離婚後もずっと一人で暮らしていた様子。


途中で養育費も払わずに連絡も取れなくなった、と祖父母から聞いたことがあった。

どこか根っこの部分で、なんてひどい父親なのよとわたしは思っていた。


でも

父には父なりの事情があったのかもしれない。

もちろん今思えば、だけど。


空白の時間が長すぎて、

想像するしかできなくて、

胸の奥の奥が、苦しくなる。


別の家庭を築く中でわたしの存在は邪魔かもしれないと思うこと多く、

だけど亡くなったとき知る事実は、父は1人ぼっちだったのだと。

何かできたんじゃないかという今さらな想いが込み上げてきて、

言葉で言い表せないこの気持ちを、どこに持っていけばいいのかわからない。


ずしっと重くて、苦しい。


正直なところ、

わたしはやっぱり後悔している。


最期にひと目、

会えたら良かった。

わたしこんなに大きくなって、びっくりしちゃうでしょ!って言えたら良かった。


母が好きになったひと。

母には、言えない。


父の死の隣でわたしは後悔の念に苛まれている。