わたしの母は、書いてきた通り、統合失調症。

躁鬱みたいに、ちょっと明るいときもあれば、だけどほとんどは気持ちがどんより落ち込んでいる感じだった。


そんな母だから、わたしの小学生時代の授業参観は、当然一度も参加なんてなかった。


夏休み、親子みんなでプールの大掃除、なんてイベントには祖父が来てくれた。


「なんで夏輝ちゃんの家はお父さんとかお母さん来ないの?」

って。

子どもって、遠慮なくていいよね。

ズケズケと言ってくれる。

わたし、何も言えずに黙っちゃったんだけどね。




そんな母に、一度だけ甘えて口にしたことば。

「最後の授業参観、来てよ、、」

やっぱり、来てほしかったんだ。

がんばっている姿、母に見てほしかった。


だけどものすごく驚いたのは、

まさかのその願いを、母が叶えてくれたこと。


小学校6年生、小学校生活最後の授業参観。


授業中、後ろを振り返ると、そこには母がいた。

恥ずかしそうに、そこにいた。


だって、人混みだって嫌いだし。

学校なんて、来たことないし。

人見知りで話すことなんてできないし。

そんな母だ。


ものすごく、勇気を振り絞ってきてくれたに違いない。

わたしは幼いながらもそれを知って、泣いた。


うれしくて、泣いた。


あの時の母は、一体どんな気持ちで来てくれたんだろう。

やっぱり、そのときは、

「娘のため」なんていう、いわゆるフツウのお母さんの気持ちがあって、来てくれたんだろうか。


わたしは、母は本当は優しくてそして、

強い人なんじゃないかと感じた。


「強さ」って、

そういうことじゃないのかなと思うのだけど。


最高にうれしい、

誇らしい日だった。

どんな母でも、わたしにとってはたいせつなたったひとりの母だから。