mojiwear




この日は近所に住んでる外国人のカメラマンに会う予定だった。
「桜咲いてるから撮影しよう!」
「いいね!」
「夜撮影したいから、その前にお昼頃ランチかコーヒーでもどう?」
「ok!」
「じゃあ、あの公園で会おう!」
(近所の彼と私の家の間にある公園)

ということになっていた。



この日着たワンピースは、シルクなので軽くて肌触りもよく、色も渋いゴールドで品がある。
夏がなかなか終わらないけどもう気持ちが秋に向かってるって時に着られるワンピース。
形もかっこよくて、スカートのすそがひらっとするのが良い。これ一枚で何も足さなくても満足できる優秀な子である。
一昨年に古着屋から連れ帰ってからはお気に入りで何度も着ていたのに、去年は一度も着られなかった。

なぜかと言うと、去年衣装のお手伝いをさせてもらった映画の衣装で使って頂いたので、その映画のことを自動的に思い出してしまうようになったからである。

それからラックにかかったワンピースをみても、なんとなく着る気にならなくて。
ああ、私のものではなくなってしまったなー、とぼんやり思っていた。
着て頂いた女優さんにあげちゃったらよかったかなぁとも思った。(似合ってたし。気に入ってたし。)
私の服ではなく、衣装になってしまった、という感覚が近いかもしれない。



そんなワンピースがこの日、春夏物の服の山からおずおずと出てきた。
久しぶりの再会にどう接したらいいのか少し人見知り(服見知り)していたら、気付けば家を出ないといけない時間になってしまって、近所の公園で人に会うぐらいだし、夜の撮影は別の服に着替えるしとりあえず今はもう考えなくていいや!と思って慌ててパパッと着てきてしまった。
ゴールドだから靴もゴールド。エアリフト。丁度よく玄関に置いてあった。
靴下はワンピース着る前から履いてたネイビーのmint designsのジグザグの靴下。(青系と黄色系の色の組み合わせが好きだ。)


ワンピース、少し寒いかなと思ってけどやっぱ、いい。
あわててパパッと着ても良いと思える。なんて心強いんだろう。
手放すのはまだ惜しいな。
でも、はやく私の服に戻さなくっちゃいけないな。



(カメラマンの彼も気に入ったようで夜の撮影もこのワンピースを着て撮影した。strange sakura shootだった。)