手術後何度目かの受診の時、
主治医(デレク)に、私は献体ができるのか質問をした。
デレクはとても驚いた顔をして、私を見つめたのを覚えている。
何故私が質問をしたのかと言うと、
手術をして、子宮や、十二指腸、胃の一部、膵臓3分の1、胆嚢など臓器がなく
再建をしているから。
解剖をして、お腹の中のぞいたら、いくつも臓器がなかったら、
医学生の勉強にならないのでは?と思ったので聞いてみた。
デレクは、献体はできますと言っていた。
デレクは他の複数の大学でも解剖学を担当しているみたいだ。
医学生の真剣な様子を話して下さったこともある。
ガンで亡くなった方の肝臓を見て、苦しかっただろうねとか話すんだよと。
デレクの先生っぷりを見てみたい気もするけど、(まあ無理ね)
死体の解剖を平然と行っている姿は普段の優しい先生からは想像しにくい。
100%献体希望ではないが、選択肢の一つとしてあってもいいかと思っている。
独り身だし、こんな私でも、人生の最後にお役に立てるのならという気持ちも少しある。