小さな親切ダイエット
小春日和。
テレビの森田健作が余計に暑苦しく感じた日。
俺は友人との待ち合わせに急いでいた。
すぐに汗ばんだ。
見慣れた道筋、杖をついた爺さんが歩いていた。ヨタヨタしてた。
「お客さん!」
間違い無くその爺さんは叫んだ。
俺を呼び止めたつもりらしかった。
なんかの商売人か!?
俺は油断したかと心持ち身構えた。
「お客さん!」
爺さんはこの初夏を思わせる日差しの中、長靴に耳当て付きの帽子、そしてマフラーをしていた。
「お客さん!」
爺さんは続いて云った。「○○歯科はどこかね!?」
俺は耳を疑った。
目の前にはデカデカと『○○歯科』との看板。
俺は余計に汗をかいた。
ここですよ…
脱力した俺は弱々しく応えた。
「あ~、そうですか!ありがとうございます」
爺さんは深々と帽子を取り礼をくれた。
俺も汗をかきながら、ますます余計に深く礼を返した。
良いことをした、のか…???
困惑する俺をよそに、笑顔の爺さん。
汗一つかいて無かった。
テレビの森田健作が余計に暑苦しく感じた日。
俺は友人との待ち合わせに急いでいた。
すぐに汗ばんだ。
見慣れた道筋、杖をついた爺さんが歩いていた。ヨタヨタしてた。
「お客さん!」
間違い無くその爺さんは叫んだ。
俺を呼び止めたつもりらしかった。
なんかの商売人か!?
俺は油断したかと心持ち身構えた。
「お客さん!」
爺さんはこの初夏を思わせる日差しの中、長靴に耳当て付きの帽子、そしてマフラーをしていた。
「お客さん!」
爺さんは続いて云った。「○○歯科はどこかね!?」
俺は耳を疑った。
目の前にはデカデカと『○○歯科』との看板。
俺は余計に汗をかいた。
ここですよ…
脱力した俺は弱々しく応えた。
「あ~、そうですか!ありがとうございます」
爺さんは深々と帽子を取り礼をくれた。
俺も汗をかきながら、ますます余計に深く礼を返した。
良いことをした、のか…???
困惑する俺をよそに、笑顔の爺さん。
汗一つかいて無かった。