『RoOT / ルート』


第9話
「吾輩は猫である」 

 三矢に成り済ましていた少女の名は『和田垣さくら』。
アイドルを目指して大分から上京してきた彼女は、ミスキスのオーディションで三矢と出会い、言葉を交わしていた。
和田垣の希望。
それは、アイドルになって、一度も会ったことがない父と会うことだった。
いっぽう三矢には、呑楽の娘という“親の七光り”に頼らず身を立てたいという思いがあった。
それぞれの境遇を語り合い、距離を縮めた2人だったが、和田垣は三矢の父親が呑楽と知ったことで、ある思いにかられる。
そんな中、大分の母からの着信が、和田垣の運命に影を落とすことになる。