『アンメット ある脳外科医の日記』
第1話
1年半前、不慮の事故で脳を損傷した脳外科医の川内ミヤビ(杉咲花)は、過去2年間の記憶をすべて失い、新しい記憶も1日限り、寝て起きたら前日の記憶がなくなってしまう記憶障害に。
毎朝5時に起きて机の上の日記を読み、失った記憶を覚え直すことから1日が始まる。
現在は、関東医科大学病院脳神経外科の教授・大迫紘一(井浦新)の治療を受けながら、記憶をなくす前の研修先だった丘陵セントラル病院に勤務しているが、医療行為は一切行わず、看護助手として働いている。
そんなある日、アメリカ帰りの脳外科医・三瓶友治(若葉竜也)が新たに着任し、ミヤビが院内を案内していると、急患が運び込まれてくる。
患者は女優の赤嶺レナで、検査の結果、脳梗塞と判明。
夫でマネージャーの江本博嗣の同意を得て、すぐさま治療が行われることになり、三瓶はミヤビにも手伝うよう指示するが、看護師長の津幡玲子(吉瀬美智子)がそれを制止。
三瓶は、治療後、救急部長の星前宏太(千葉雄大)から、ミヤビが記憶障害であることを聞かされる。
治療を受けたレナは目を覚ましたものの、言葉を出すことがほとんどできず、後遺症による失語症と診断。
女優として絶望的な状況を目の当たりにしながら、何もできない自分にミヤビは葛藤する。
そんなミヤビに、三瓶は記憶障害のことを知った上で、
「人手が足りないんだから、できることはやってもらわなきゃ困る」と言い放ち、ミヤビにも医師として診察や診断をさせるよう、院長の藤堂利幸(安井順平)に直談判して…
キャスト
杉咲花 役:川上ミヤビ
丘陵セントラル病院の脳外科医。
将来を嘱望された脳外科医だったが、1年半前、不慮の事故で脳を損傷。
重度の記憶障害を患っている。
そのため、医療行為は許されず、許されているのは看護師の補助的な仕事。
記憶障害と向き合うミヤビは
『私には今日しかない。今日できることを精一杯やろう』と決意し、その日の出来事、会話の内容やその時の気持ちに至るまで、自分の毎日を日記に詳細に綴っています。
毎日、朝の5時に起床し、日記を読み返し、記憶を補うのがミヤビの日常です。
「私はまだ医者なのだろうか」という葛藤から目をそらしていたが、変わり者の脳外科医・三瓶友治との出会いをきっかけに、再び脳外科医としての道を歩むことに。
空気を読まず、強引でマイペースな三瓶の言動に、医師としても患者としても助けられている。
若葉竜也 役:三瓶友治
丘陵セントラル病院の脳外科医。
アメリカの大学病院からミヤビ(杉咲花)が勤務する丘陵セントラル病院に赴任してきた。
優秀な医師だがマイペースで変わり者。
ミヤビが医師の仕事をやらないことに疑問を持ち「人手が足りないから」とミヤビに手伝うように言い、周囲から反感をかう。
何を考えているのか分からない謎だらけだが、その言動には説得力がある。
ミヤビに大きな影響を与える。
三瓶によってミヤビは戸惑いながらも患者と向かっていくことになる。
井浦新 役:大迫紘一
関東医大病院・脳外科教授。
脳外科の権威でありながらそれを感じさない柔和な人柄で人望も厚い。
ミヤビ(杉咲花)とは古からの知り合い。
ミヤビが脳外科を目指すきっかけとなった人物でミヤビにとって目標でもあり恩人でもある。
現在はミヤビの主治医で、ミヤビが働きやすいよう陰に日向に、力になってくれている。
ミヤビの脳外科復帰にも「そろそろと思っていた」と背中を押す。
趣味は観葉植物の収集。
教授室には緑があふれ、いつも目を細めて愛でている。
吉瀬美智子 役:津幡玲子
丘陵セントラル病院の看護師長。
病院の医療安全室長も務めている。
病院内のいかなるリスクもミスも許さない「安全の鬼」。
その徹底ぶりに周囲は怖れている。
記憶障害を抱えるミヤビが医療行為に参加することを認めていない。
三瓶がミヤビを強引に医師に復活させようとしていることに対しても、強硬に反対する。
千葉雄大 役:星前宏太
丘陵セントラル病院の救急部長。
救急のほか、脳外科も兼務している。
過去のある経験から高すぎる理想を追い求めており、目指すのは全科で専門医レベルの医者。
いつでも明るく熱いムービーメーカー。
津幡(吉瀬美智子)とは真逆のスタンスでミヤビの脳外科医復帰も温かくサポートする。
ややオレ様系で自意識も高いが、抜けているところもあり憎めない人物。
なんだかんだで周囲から頼りにされている。
岡山天音 役:綾野楓
大迫(井浦新)が教授を務める関東医大病院の脳外科医。
専門は脳血管内治療(カテーテル)。
脳血管内治療の分野では国内で最も注目される若手医師のひとり。
一見、物腰柔らかな好青年だが、実は上昇志向が強く、権力者の孫娘である麻衣(生田絵梨花)との政略結婚を目論み婚約中。
言動に隙がなく、本音が見えない男。
生田絵梨花 役:西島麻衣
関東医大病院の脳外科秘書。
綾野(岡山天音)の婚約者。
周辺地域で絶大な影響力を持つ西島医療グループ会長の孫娘。
自分の家柄・立場と、それゆえの運命を受け入れている。
良くも悪くも大人な考えの持ち主。
将来有望な綾野(岡山天音)は結婚相手として申し分ない存在だと認めている。
綾野とともに悪びれることもなく、愛のない政略結婚を推し進めている。
安井順平 役:藤堂利幸
丘陵セントラル病院の院長。
決断力が乏しく、頼まれると断れない性格。
記憶障害を患ったミヤビを預かっているのも、脳外科の権威・大迫(井浦)から頼まれたためで、本音では持て余し気味。
キャラの濃い部下たちに振り回されながらも、優しく皆を見守るお人好し。
野呂佳代 役:成増貴子
丘陵セントラル病院の麻酔科医。
腕の立つベテランで、困難な状況でも涼しい顔で切り抜ける実力者。
飄々(ひょうひょう)としているが、医者として再生しようともがくミヤビのことは応援している。
何かとミヤビの背中を押し励ましていく。
周囲を引っ掻き回す三瓶友治に興味を持つ。
小市慢太郎 役:高美武志
丘陵セントラルメンバーの憩いの場『料亭居酒屋たかみ』の店主。
丘陵セントラル病院から徒歩圏内にある居酒屋を長年夫婦で営んでいる。
常連客たちの味の好みを覚えており、一人一人の好みに合わせた料理を提供する達人。
「○○ちゃんは、これやろ」と言って、料理を出してくる。
酒向芳 役:西島秀雄
関東医大・同窓会長。
西島医療グループの最高権力者であり、麻衣(生田)の祖父。
地域一帯で絶大な権力を誇る医療グループの最高責任者。
青臭い理想などはとうに捨て、グループ拡大のためには、手段を選ばない。
大迫(井浦)ですら西島の意向には逆らえず、黒い噂が絶えない人物。
山谷花純 役:森陽南子
丘陵セントラル病院、脳外科の看護師。
明るくあっけらかんとした性格で、ミヤビとは、事故の前から仲が良く、飲み友達。
ミヤビにとっては、仕事のこともプライベートなことも本音で話せる、気を許せる相手。
看護師としても優秀で、素早く的確な判断ができる。
患者思いで、病棟内の人気者。
愛称は“森ちゃん”。
尾崎匠海(INI) 役:風間灯織
丘陵セントラル病院の研修医。
救急部で星前(千葉雄大)の下についている。
努力を重ねて医者になった苦労人。
上昇志向が強く、アメリカでの輝かしい経歴を持つ三瓶(若葉竜也)に興味を持つ。
ハッキリ物を言う性格でミヤビが脳外科医に復帰する際には
「本当に、大丈夫なんですか?」と問いかけている。
理屈っぽく生意気だが憎めないので、周囲から可愛がられている。
看護師の森(山谷花純)に思いを寄せているが、相手にされない。
下手くそなアプローチは、いつもスルーされている。
中村里帆 役:新井小春
丘陵セントラル病院、脳外科の看護師。
病院で働き始めて、まだ2年に満たないため、ミヤビの記憶にはない人物。
明るい森とは対照的に、真面目で冷静。
タイプは異なるものの、森(山谷花純)のことが好きで仲良くしている。
ミヤビを含めよく3人で一緒にいる。
看護師としてはまだまだで、津幡(吉瀬美智子)から叱られることも多い。
風間俊介 役:江本博嗣
女優の赤嶺レナ(中村映里子)のマネジャーであり夫でもある。
レナが売れない頃から二人三脚で歩んできた。
レナが失語症を患い、自身が何もしてあげられないことに苦悩する。
中村映里子 役:赤嶺レナ
女優。
長い下積みを経て花開こうとしている。
努力の末に初めての主演ドラマが決まっていたが脳梗塞で倒れる。
三瓶(若葉竜也)の治療により危険な状態は脱したものの“失語症”という後遺症が残ってしまい、女優でありながら読み書きすることも、言葉を発することもできなくなってしまう。
相関図
スタッフ
【原作】
子鹿ゆずる(原作)・大槻閑人(漫画)『アンメット ―ある脳外科医の日記―』(講談社「モーニング」連載)
【プロデューサー】
米田孝 本
郷達也
【制作協力】
MMJ
【制作著作】
カンテレ