『君が心をくれたから』


最終話
「雨の音色と未来の約束」

桜まつりの夜、逢原雨(永野芽郁)は、朝野太陽(山田裕貴)が作った最初で最後の花火を見ることができなかった。
視覚を失うタイムリミットに間に合わなかったのだ。
それに気付いた太陽は、悔しさを堪えきれずに嗚咽する。
そんな太陽に、雨は
「十年間願い続けた夢を叶えてくれて、本当に本当に、ありがとう」と伝えて笑顔を見せたーーー。

日付が変わる午前0時。
五感のうち残された最後のひとつ「聴覚」が失われるまでのタイムリミットが表示される。
それは1週間後の3月31日午後4時だった。
日下(斎藤工)からそれを教えられた雨は、線香花火の勝負で勝ったから、と言って太陽にひとつ頼み事をする。
桜まつりからの帰り道、太陽は、
「雨の心を支える言葉を伝えるよ」と約束していた。
雨は、聴覚がなくなるとき最後に聴くのはその言葉がいい、と太陽に頼むと、それまでの間ふたりでたくさん笑おうと約束する。

雨と太陽は、長崎孔子廟や眼鏡橋を訪れたり、もう一度観覧車に乗ったりして幸せな時を過ごす。その間も、雨に伝える言葉を考え続ける太陽。
そして3月31日、雨が最後に行きたいと言ったのは、ふたりが出会った場所だった。
春陽(出口夏希)にメイクをしてもらった雨は、太陽と一緒に長崎県立長崎高校を訪れるが……。