日曜劇場
『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』


第1話

5年前、指揮者・夏目俊平(西島秀俊)は音楽の街・ウィーンで指揮台に立ち、聴衆を大いに沸かせた。
しかし、俊平はその時知る由もなかった。
娘・響(芦田愛菜)に最悪なことが起きていたことを。

5年後の2023年、秋。
俊平は指揮者を辞めて、一人きりでウィーンの街にいた。
家族は、彼の元を去っていったのだ。
そんな俊平のもとに、日本にいる志帆(石田ゆり子)から5年ぶりに連絡が入る。
画家の志帆にフランスで仕事が入ったため、日本で子どもたちの面倒を見て欲しいと言う。
かくして、俊平は20年ぶりに帰国。
しかし、響は俊平と目を合わせようともしない。おまけに音楽以外の能力がゼロの俊平は家事が一切できない。
そんな状態の中、父子3人の気まずい生活が始まる。

翌朝、夏目家にやって来たのは晴見市役所観光課の古谷悟史(玉山鉄二)。
市民オーケストラ・晴見フィルハーモニーの団長でもある古谷は、存続の危機にある楽団の指揮を俊平に頼みにきたのだ。
実は、志帆が裏で古谷に指揮をすることを約束していたのだ。
しかし、俊平は古谷のお願いを固辞する。
一方、晴見市役所に勤めている響は、晴見フィルが演奏会や練習で使用している晴見あおぞら文化ホール担当になっていて、晴見フィルのメンバーで観光課の森大輝(宮沢氷魚)に俊平の話を聞かれるが、そっけない態度。
そんな中、俊平は晴見市長・白石一生(淵上泰史)から、晴見フィルが置かれた厳しい状況を聞かされる。
さらに、晴見フィルの練習に行った時に、あることを聞かされて・・・。



キャスト
西島秀俊(役:夏目俊平)
マエストロ(指揮者)。
不気味な父親。


芦田愛菜(役:響)
俊平の娘。
市役所に勤務。
素直になれない娘。


宮沢氷魚(役:森大輝)
廃団寸前の市民オーケストラ・晴見フィルハーモニー所属のトランペッター。
スーパーポジティブな性格。
小学生のころから吹奏楽部で活動し、練習も人一倍熱心。
しかし音程はすこぶる怪しく、感情がそのまま音に出てしまうため晴見フィルの演奏を台なしにすることも。
また、普段は市役所の観光課に勤務していて、響とも職場仲間として次第に関係を深めていく。


新木優子(役:倉科瑠李)
オーケストラの和を乱す魔性のフルート奏者。
プロのオーケストラで活躍するフルート奏者だが、恋愛絡みで事件を起こして数多のオケをクビになってきた。
狙った獲物は決して逃がさない通称“カルメン”。
俊平に出会い、自分にまったく振り向かない彼の心を射止めようと燃える。
ある意味、本作で最も“アパッシオナート”なキャラクターとなる。


石田ゆり子(役:志帆) 
響の母で画家。
俊平の才能と人柄に魅了されて、結婚した。
結婚後は、画家の夢を捨てて、音楽以外ポンコツな俊平の世話をかいがいしく焼いてきたが、5年前の“ある出来事”をきっかけに娘の響と息子を連れて俊平の元を去った。
現在は実家のある晴見市で親子3人で暮らしている。
その後、俊平には一切連絡を取っていなかったが、ある目的で、晴見フィルの指揮者として俊平を団長の古谷に推薦した。


玉山鉄二(役:古谷悟史)
晴見市役所観光課の職員で、晴見フィル団長。
誠実で人との調和を重んじる心優しきファゴット奏者。
廃団が決まった晴見フィルをなんとか存続させるため、世界的指揮者である俊平を指揮者に迎えようと奮闘する。
また、俊平には言えないある秘密を抱えている。


津田寛治(役:近藤益夫)
晴見フィルのコンサートマスターであるバイオリン奏者。
普段は建設会社の社長。
幼い頃からかっこいい指揮者になるのが夢で、晴見フィルの前任指揮者が引退したことでようやく自分の番が来たと心躍っていた。
しかし俊平が現れたため敵意を燃やす。
クラシックが大好きで語らせると長い。
晴見フィルのボス的存在だが、家族からは愛想をつかされている。


當真あみ(役:谷崎天音)
俊平に憧れる高校生。
我が道を行く性格で楽天的な面が見受けられる。


満島真之介(役:鏑木晃一)
謎の男。
俊平が関係する5年前の事件のことを知っている。


西田敏行(役:小村二朗)
「うたカフェ二朗」の店主。
大輝の祖父。
晴見フィルハーモニーの最古参。


佐藤緋美(役:羽野蓮)
クラシックを諦めたチェリスト。
幼い頃からクラシックの才能に恵まれ周囲の期待を背負ってきたが、ある事情から音楽をやめ、今は配送の仕事をしている。
寡黙でクールな青年だが、俊平と出会い、あることがきっかけで晴見フィルに誘われることになる。


久間田琳加(役:内村菜々)
プレッシャーに弱いティンパニ奏者。
晴見フィルの中でも真面目で人一倍練習熱心。
しかし、高校時代のトラウマから自信をもって演奏ができない大学生。蓮推し 。


大西利空(役:夏目海)
俊平の息子。
フランス生まれの帰国子女で高校2年生。
甘え上手でコミュニケーション能力が高く、5年ぶりに父親と暮らすことを無邪気に喜ぶ。
一方で、父と姉・響のギクシャクした関係をさり気なくフォローし、意外と大人な一面も。


淵上泰史(役:白石一生)
リアリストな市長。
赤字財政の中、前市長が建てた晴見市あおぞら文化ホールをお荷物に感じ売却を考えている。
音楽はお金にならないものだと断言して俊平と真っ向から対立していく


相関図




スタッフ

脚本
大島里美

音楽
菅野祐悟

撮影監督
神田 創

音楽監修
広上淳一(東京音楽大学)

全面協力
東京音楽大学

企画プロデュース
東仲恵吾

プロデュース
益田千愛

演出
坪井敏雄
富田和成
石井康晴
元井 桃

製作著作
TBS