『君が心をくれたから』


第1話

大雨の中、逢原雨(永野芽郁)が重傷を負った朝野太陽(山田裕貴)を抱きしめ、助けを呼んでいる。
するとそこに、“あの世からの案内人”を名乗る男・日下(斎藤工)が現れ、こう告げる。
「君が“心を差し出す”ならば、今から奇跡を起こしてあげよう」ーーー。

2013年の長崎。高校1年生の雨は、その珍しい名前から“ザー子”と呼ばれてからかわれ、自分に自信が持てない性格から、他人とは関わらないようにして生きていた。
ある雨の日、傘がなく困っていた雨に、高校3年生の太陽が赤い折りたたみ傘を差しだし、
「もしよかったら、入らない?」と声をかける。たびたび自分を気にかける太陽のことを、最初は疎ましく思っていた雨だったが、明るくて真っ直ぐな太陽と接するうちに次第に心をひかれていく。
しかし、2人はある約束を交わして、離ればなれになってしまう。
雨はパティシエの夢を叶(かな)えるために東京へ上京、太陽は家業である花火師の修行を積む決意を固めたのだ。

それから10年後、雨は長崎に帰省していた。
祖母・逢原雪乃(余貴美子)に迎えられ、東京の職場のことを話に出されると、雨はそそくさと逃げていく。

一方、太陽は、大晦日(おおみそか)の花火大会を任されないことを不満に思い、父であり師匠でもある朝野陽平(遠藤憲一)と衝突していた。
お互いに過去と現在への葛藤を抱く中、かつて思いを語り合った眼鏡橋で、太陽は赤い折りたたみ傘を取り出した雨の姿を見かける…。



キャスト
逢原雨(あいはら あめ)〈26〉
演 - 永野芽郁
過去のある経験から、自分に自信を持てずにいる女性。
学生時代に“雨”という珍しい名前から“ザー子”と呼ばれてばかにされ、他人と関わらないようにしていたが、ただ1人明るく声を掛けてくれたのが太陽だった。
太陽に自分の思いを伝えないまま、高校卒業と同時にパティシエの夢をかなえるために上京。
ある理由で長崎へ帰ることに。
太陽と再会したいと願いながらも、今の自分を見られたくないと葛藤している。


朝野太陽(あさの たいよう)〈28〉
演 - 山田裕貴
長崎で代々続く老舗煙火店「朝野煙火工業」の跡取り息子。
一人前の花火師になるという夢を持ち、明るく前を向いて生きている。
亡き母との約束を果たすため、父の跡を継ぐべく修業に励む。
元気で活発な性格だが、学生時代に気になっていた雨に対してだけは、素直に話しかけられない不器用な一面も。
雨に自分の思いを伝えられないままだったが、離れていた8年の間、片時も彼女のことを忘れたことはなかった。


周辺人物
望田司(もちだ つかさ)〈33〉
演 - 白洲迅
長崎市役所で働く心優しい青年。


朝野家
朝野春陽(あさの はるひ)〈24〉
演 - 出口夏希
太陽の妹。


朝野陽平(あさの ようへい)〈59〉
演 - 遠藤憲一
太陽の父であり師匠でもある花火師。
老舗煙火店「朝野煙火工業」の当主として、息子を一人前の花火師に育てるべく、人一倍厳しく接している。
しかし、早く花火師として成功したいと焦る太陽と、たびたび衝突してしまう。


逢原家
逢原霞美(あいはら かすみ)〈46〉
演 - 真飛聖
雨の母親。
雨がパティシエを目指すきっかけ。


逢原雪乃(あいはら ゆきの)〈67〉
演 - 余貴美子
雨の祖母。
長崎に帰ってきた雨と2人で暮らしている。
明るくおおらかな性格で、ふさぎ込みがちな雨のことを優しく支え、時には彼女の恋愛相談に乗ることも。
太陽との関係に悩む雨の背中をそっと押してくれる、頼れる存在。


案内人
日下(くさか)
演 - 斎藤工
雨に“過酷な奇跡”を提示する、あの世からの案内人。
太陽が事故に遭い、悲しみに暮れる雨の目の前に突然現れ、太陽のために“心”を差し出すよう持ち掛ける謎めいた人物。
時に厳しい口調で雨に決断を迫る、冷酷な一面を見せる。


千秋(ちあき)
演 - 松本若菜
日下と共にあの世からやって来た案内人。
日下と同様にミステリアスな人物だが、“過酷な奇跡”を提示された雨に対して思いやる言動を見せるなど、人間味のある部分も。


相関図




スタッフ
脚本
宇山佳佑

音楽
松谷 卓

演出
松山博昭
(『ミステリと言う勿れ』シリーズ、『信長協奏曲』他)

プロデュース
草ヶ谷大輔
(『ミステリと言う勿れ』シリーズ、『コンフィデンスマンJP』シリーズ他)