『アンナチュラル』


第1話
「名前のない毒」

法医解剖医の三澄ミコト(石原さとみ)が働く不自然死究明研究所(unnatural death Investigation laboratory)=通称UDIラボでは、東京都23区外、西武蔵野市を中心に、全国津々浦々で発見された異状死体や犯罪死体を引き受けている。
警察や自治体から依頼されて運ばれてくる遺体は年間約400体。
その遺体を解剖し、死因を究明するのが、ミコトたちUDIラボの仕事だ。

UDIラボには、三澄班と中堂班の2チームが存在する。
三澄班は執刀医のミコト、臨床検査技師の東海林夕子(市川実日子)、記録員の久部六郎(窪田正孝)。中堂班は法医解剖医の中堂系(井浦新)、臨床検査技師の坂本誠(飯尾和樹)。
そして、それらの個性的なメンバーを束ねるのが所長の神倉保夫(松重豊)だ。

そんなある日、中年夫婦がUDIを訪ねてきた。
一人暮らしで突然死した息子・高野島渡の死因に納得がいかないという。
警察医の見立ては「虚血性心疾患」(心不全)。しかし息子は、まだまだ若く、山登りが趣味だというぐらい身体も丈夫で元気だった。
心不全という死因は、素人目にも、あまりにも不自然だ。
なにか、ほかの原因があるのではないか。
夫婦はもっときちんと死因を調べてくれるようにと警察に頼んだが、事件性も不審な点もないと、剣もほろろに断られてしまった、という。

ミコトたちは、さっそく、解剖に取り掛かった。すると心臓にはなんの異状もなく、代わりに、急性腎不全の症状が見つかる。
ミコトたちは、薬毒物死を疑い、詳細な検査にかけるが、死因となった毒物が何かがどうしても特定できない。
そんな折、高野島と一緒に仕事をしていた若い女性同僚が、高野島が亡くなった翌日に、原因不明の突然死を遂げていたことが判明する。

死因を究明すべく高野島のアパートでミコト、六郎、東海林が調査をしていると、高野島の遺体の第一発見者でもある婚約者・馬場路子が現れる。
馬場の仕事は、なんと劇薬毒物製品の開発。
馬場が、もしまだ誰も知らない未知の毒物、すなわち「名前のない毒」を開発していたとしたら……。
既存の毒物と比較検出するだけの、現在の毒物鑑定システムでは、「名前のない毒」を検出できない。
すなわち、完全犯罪が成立する。
「高野島が死んだときの私のアリバイ?いいえ。一人で自宅にいたのでアリバイはありません」
悠然と微笑む馬場路子に、ミコトたちはどう立ち向かうのか?


第2話 再放送
「死にたがりの手紙」

ミコト(石原さとみ)らUDIメンバーは警察の依頼により、集団練炭自殺の現場に出向く。
そこには4人の遺体があり、刑事の毛利(大倉孝二)は事件性がないと主張するが、ミコトは解剖することを決める。
解剖の結果、3人は一酸化炭素中毒で自殺と断定された。
ところが、ひとりの少女の死因は“凍死”であることが判明。
さらにその少女の胃の中から、解読不可能なダイイングメッセージが発見される。
間違いなく事件であると確信したミコト、六郎(窪田正孝)らUDIメンバーは、所長の神倉(松重豊)に止められながらも、身元不明の少女が残したメッセージの意味を必死で解読しようとする。そんな中、ある理由から突然ミコトは六郎を温泉に誘う。温泉地へと向かったミコトと六郎は、驚くべき事実を突き止める。

だが、そんな2人を絶体絶命のピンチが襲う!!
集団自殺に見せかけた事件の真相とは一体?


第3話 再放送
「予定外の証人」

ミコト(石原さとみ)は半年前に発生した“主婦ブロガー殺人事件”の裁判に、代理証人として出廷することになる。
被告は被害者の夫の要一(温水洋一)。
殺害の動機は、妻からの精神的DVによるものだと罪を認めていた。
しかし裁判で証拠として提出された包丁が本当の凶器ではないことに気づいたミコトは、凶器の矛盾を指摘。
それを聞いた被告の要一も、一転して無実を主張する。

裁判は大混乱になり、検事の烏田(吹越満)はミコトに激怒。
検察を敵に回すと警察庁からUDIへの補助金にも影響があるのではと所長の神倉(松重豊)が心配する中、ミコトは事件の真実を明らかにするため再び法廷に立つことを決意する。
白いものをも黒くするという異名をとる有罪率99.9%のやり手検事とミコトの法廷バトルが始まる!


キャスト
不自然死究明研究所 UDIラボ
三澄 ミコト(みすみ みこと)〈33〉
演 - 石原さとみ
UDIラボの三澄班を率いる法医解剖医。
医大の法医学教室で准教授として研さんを積み、4カ月前にラボに着任した。
合理的な性格のため、無駄な争いを避けて笑顔で切り抜けようとする。
ある理由から不自然死の放置が許せない。


中堂 系(なかどう けい)〈41〉
演 - 井浦新
UDIラボの中堂班を率いる法医解剖医。
3000件もの解剖実績があるベテランだが、態度も口も悪いため、チームを組む臨床検査技師がすぐに辞めてしまい、記録員もいない。 
目的のためには手段を選ばず、ラボに出入りする葬儀業者に何かを探させている。


久部 六郎(くべ ろくろう)〈26〉
演 - 窪田正孝
医大生。
UDIラボ三澄班で記録員のアルバイトをしている新人。
ラボで法医学という未知の世界を徐々に知っていく。
ネットやガジェットに精通している。


東海林 夕子(しょうじ ゆうこ)〈35〉
演 - 市川実日子
UDIラボ三澄班の臨床検査技師。
薬学部出身。
ラボ設立時から在籍し、仕事よりプライベートが優先。
好き嫌いが激しく、仲間内では遠慮がない。
ミコトとは監察医務院時代から面識がある、気の合う同僚。


坂本 誠(さかもと まこと)〈50〉
演 - 飯尾和樹(ずん)
臨床検査技師。


神倉 保夫(かみくら やすお)〈55〉
演 - 松重豊
UDIラボ所長。
元は厚労省の職員で、東日本大震災の身元不明遺体調査を機にラボへの転属を志願したという話もあるが、単なる天下りといううわさも。
補助金に依存するラボの運営に危機感を持っているが、自由過ぎるメンバーたちに好き勝手にされる。


その他
末次 康介(すえつぐ こうすけ)〈45〉
演 - 池田鉄洋
六郎の飲み仲間。
 

木林 南雲(きばやし なぐも)〈28〉
演 - 竜星涼
フォレスト葬儀社の社員。


三澄 秋彦(みすみ あきひこ)〈25〉
演 - 小笠原海(超特急)
ミコトの弟。
予備校講師。


関谷 聡史〈33〉
演 - 福士誠治
ミコトの恋人。


宍戸 理一(ししど りいち)〈43〉
演 - 北村有起哉
フリー記者。


毛利 忠治(もうり ただはる)〈39〉
演 - 大倉孝二
UDIラボに解剖を依頼する西武蔵野署の刑事。


向島 進〈34〉
演 - 吉田ウーロン太
西武蔵野署の刑事。


三澄 夏代(みすみ なつよ)〈53〉
演 - 薬師丸ひろ子(特別出演)
ミコトの母。
弁護士。



相関図 




スタッフ
脚本
野木亜紀子
(『逃げるは恥だが役に立つ』『重版出来!』『空飛ぶ広報室』ほか)

主題歌
米津玄師「Lemon」(ソニー・ミュージックレコーズ) 

音楽
得田真裕

法医学監修
上村公一 鵜沼香奈(東京医科歯科大学)

プロデューサー
新井順子