NHK大河ドラマ
『鎌倉殿の13人』 


第24話
「変わらぬ人」

源頼朝(大泉洋)と万寿(金子大地)が巻狩りを終えて無事に戻り、喜ぶ政子(小池栄子)。
しかし、頼朝は自身に代わって鎌倉殿の座に就こうとした弟・範頼(迫田孝也)を許さず、余波が鎌倉を揺るがしていた。
比奈(堀田真由)を傍らに、三浦義村(山本耕史)、金剛(坂口健太郎)と思いを巡らせる義時(小栗旬)。
そんな中、亡き許嫁いいなずけ・源義高(市川染五郎)を慕い続ける大姫(南沙良)は、頼朝が用意した縁談話を歯牙にもかけず……







建久4年(1193)5月28日の深夜、伊東祐親の孫である曽我十郎・五郎兄弟が、源頼朝の側近・工藤祐経を斬殺する事件が起きました。
かつて工藤祐経は、伊東荘をを巡る所領相論などで伊東祐親と対立し、曽我兄弟の実父・河津祐泰を殺害。
つまり、工藤祐経は曽我兄弟にとって憎き親の敵かたきでした。
富士野の巻狩りにおいて、20代前半の若い兄弟が父の敵である有力御家人を討ったことは人々を驚かせ、同情と共感を呼びました。
事件後ほどなくして、女性の語り部たちが親の恩に報いる美談として語り始めると、箱根権現・伊豆山権現が仏教の唱導の要素を取り入れて書記化。
鎌倉後期には、増補と改変を経て真名本の『曽我物語』が成立するに至ります。
しかし「曽我事件」は、単なる親思いの若い兄弟による敵討ちではなかった可能性が高いと考えられています。
このとき富士野の現場で討たれたのは工藤祐経だけではなく、多数の御家人が死傷しました。この後、源頼朝による厳しい処断が行われていきます。