木曜ミステリー 
『科捜研の女 SEASON21』 


第5話

国際ピアノコンクールの日本最終予選の朝――。
審査員長を務めるドイツ人女性の絞殺体が、会場のコンサートホールで見つかった。
臨場した榊マリコ(沢口靖子)は、遺体の首に付着していた赤い微物を採取。
また、遺体の歯の間に光る微物が挟まっているのを発見する。 
死亡推定時刻は前日の夜8時から10時の間と思われたが、ホール支配人によると、事件当日は午後、出場者3名が練習に訪れ、最後に調律師の和田優(崎山つばさ)がピアノの調律を行ったという。
だが、おかしなことに鍵盤からは複数の指紋が検出された。
調律師は最後に鍵盤をきれいに拭くのが常らしく、指紋が残ることなどないはずだった…。 鑑定の結果、首から見つかった微物はフェルトの繊維と判明、凶器はヒモ状の赤いフェルトと思われた。
さらに遺体の歯から採取した微物は、爪のかけらだとわかる。
被害者の首を絞めたとき、犯人の爪が被害者の歯に当たって欠けたものと推測され、犯人は指をケガしている可能性が浮上する。 

和田のもとを訪ねた土門薫刑事(内藤剛志)は彼が右手指にケガをしていることに気づくが、和田はクールな表情を崩すことなく、調律道具で引っかいた傷だと主張。
昨夜はなぜ最後に鍵盤を拭かなかったのかという土門の問いにも、単に仕上げを忘れただけだと返答する。 
その後、マリコと土門は事件当日、ホールで練習を行った出場者――山崎永太(山岸門人)、佐光真奈美(渋谷飛鳥)、戸村康介(川野直輝)――の3名に事情を聞くが、誰ひとりとして確たるアリバイを証明できなかった。
しかしながら、やはり最後にホールを訪れた和田に疑いが集中。
マリコは和田の指の傷が本当に仕事の道具によってできたものか鑑定したいと言い出すが…!?