木曜ミステリー
 『科捜研の女 SEASON21』


第1話

榊マリコ(沢口靖子)に思いがけず“異動話”が舞い込んだ。
警察庁で“刑事指導連絡室”室長を務める元夫・倉橋拓也(渡辺いっけい)が、刑事講習で科学捜査を教える専門指導官に、マリコを推薦したのだ。
もし選ばれたら警察庁、つまり東京に出向となる…。
科捜研の仕事を天職と思う一方、20年以上培ってきた科学捜査の経験を若い世代に伝えることにも価値があると考え、マリコは迷う。 

その倉橋が突然、マリコに相談を持ちかけてきた。
実は数日前、倉橋の同僚が京都出張中に雑居ビルの非常階段から転落死。
事故として処理されたにもかかわらず、庁内には箝口令が敷かれたという。
不審を抱いた倉橋は友人の死の真相を明らかにしたいと願うものの立場上、動くこともできず、マリコに捜査を頼みたいと話す。 

科捜研所長・日野和正(斉藤暁)は正式な要請がない以上、協力できないと釘をさすが、マリコはさっそく土門薫(内藤剛志)刑事や蒲原勇樹(石井一彰)刑事を巻き込んで捜査を開始。蒲原が所轄署から入手した調書によると、倉橋の同僚は雑居ビル内にあるガールズバーを訪れ、トイレと間違えて非常階段のドアを開け、そのまま足を滑らせて転落したとされていた。また、遺体の所持品からスマートフォンが消えていたことが判明。
正体不明の目撃者が公衆電話から119番通報していたこともわかった。
土門とマリコは被害者の元妻で、大学の准教授を務める水城和穂(沢城みゆき)のもとを訪れるが、和穂は元夫との関係を「ねじれの関係」と一蹴し、マリコ達を突き放す…。 

一方、蒲原とともに転落現場を訪ねたマリコ。手がかりを求めて非常階段を調べたところ、わずかな繊維片を見つける。ところがその直後、マリコは怪しげな男たちに拉致されてしまい――!? 
はたして、マリコは警察庁キャリア官僚の死に潜む真相を暴くことができるのか!? 
そしてマリコは元夫・倉橋の誘いに乗って東京行きを決断するのか――!?



キャスト
榊マリコ(さかき・まりこ)沢口靖子
京都府警科学捜査研究所、通称“科捜研”の法医研究員。
科捜研の名物研究員として知られている。
科学捜査には信念とプライドを持っているが、若い頃のように科学を過信することなく、真理は科学を扱う人間にかかっていることも学習している。
独身だが、実は一度結婚していたことがある。土門とは強い絆で結ばれており、互いに信頼しあっている。


土門薫(どもん・かおる)内藤剛志
京都府警捜査一課の刑事(警部補)。
一匹狼的な性格で、団体行動が苦手。
直情的に突っ走ることが多い。
上からの指示を待たずにマリコと捜査に走り、藤倉刑事部長から苦言を呈されることもしばしばだが、やり方を変える気はない。
妻とは死別。
かつての部下の殉職に責任を感じ続けている。


風丘早月(かざおか・さつき)若村麻由美
洛北医科大医学部病理学科法医学教室の教授。一男一女の母。
のんきで陽気な性格。
マリコとは同世代ということもあり、仕事以外でも何かと相談に乗っている。
性格も私生活もマリコとは正反対だが、仕事に関しては、よいパートナーシップで結ばれている。


宇佐見裕也(うさみ・ゆうや)風間トオル
科捜研の化学担当。
狭き門の中途採用試験に合格、採用された。
以前は国立航空科学研究所の技官として、航空及び空港テロに備えた爆発物および化学兵器の防犯・研究をしていた。
気象や海洋など航空安全に関わる知識も豊富。マリコのよきアドバイザー。


藤倉甚一(ふじくら・じんいち)金田明夫
京都府警刑事部長(警視)。
以前は鑑識畑ひと筋、筋金入りの現場第一主義の鑑識員だった。
頑固で、曲がったことが嫌い。
人に媚びたり、愛嬌を振りまいたりなどは絶対にしない。
以前は「科捜研はあくまで裏方であるべき」と考え、捜査に過度に介入するマリコの行動を厳しく非難していたが、最近は一定の理解を示すようになった。


日野和正(ひの・かずまさ)斉藤暁
科捜研所長。
文書鑑定担当(筆跡、印影、写真複製物等によって印字された文字の識別。
偽造通貨鑑定等)。
もともと警視庁科捜研にいたが、京都府警からの要請で異動してきた。
そのため、妻子は東京在住で京都に単身赴任中。
見かけはいい加減だが、意外に正義感も強く、情にもろい。
過労で仕事中に倒れて入院して以来、科捜研メンバーの働き方に気を配っている。


佐伯志信(さえき・しのぶ)西田健
京都府警本部長。
事なかれ主義で、波風を立てることをよしとしない。
何よりも警察の面子にこだわり、その徹底ぶりがコミカルに見えることすらある。


橋口呂太(はしぐち・ろた)渡部秀
科捜研の物理担当(銃器鑑定、機械・建造物の破損。交通事故解析など)。
天真爛漫で愛嬌がありオシャレ。
敬語が使えず、誰に対しても“タメ口”を利くなど、社会常識に欠ける部分もあり、日野所長や亜美にしばしばたしなめられる。
その一方で、マリコに“ムチャぶり”された大量の鑑定を睡魔と戦いながら、徹夜でやり遂げる根性もある。


涌田亜美(わくた・あみ)山本ひかる
科捜研の映像データ担当。
童顔で飾り気のない風貌で、気がつくと毎日同じ服を着ていたり、平気で科捜研に泊り込んだりと、まったく女性らしさを感じさせないキャラクター。
性格は天然を通り越しており、空気の読めないタイプ。
だが、見た目の頼りなさとは裏腹にデジタルスキルは高く、映像関連のデータ分析や解析能力も並はずれている。


蒲原勇樹(かんばら・ゆうき)石井一彰
京都府警捜査一課で土門と行動を共にする若手刑事(巡査部長)。
かつては組織犯罪対策課におり、強引な捜査手法で知られる落合佐妃子警部補に心酔していたが、マリコや土門と捜査を共にするうち、真の正義について考えるようになった。
刑事としては優秀でクールでとっつきにくいタイプだが、子どものいたずらに引っかかってしまうなど素直な一面も。


スタッフ
ゼネラルプロデューサー
関 拓也(テレビ朝日)

プロデューサー
藤崎絵三(テレビ朝日)、中尾亜由子(東映)、谷中寿成(東映)

監 督
田﨑竜太、兼﨑涼介 ほか

脚 本
戸田山雅司、櫻井武晴 ほか

制 作
テレビ朝日/東映



相関図