『トットてれび 』


第1話 再放送

昭和28年、徹子(満島ひかり)は、NHKがテレビ放送開始のため専属俳優を募集していると知り受験する。
試験は失敗続きだったが、なぜか合格。
新人の徹子はラジオやテレビの番組にエキストラとして出演するが、目立ち過ぎて叱られてばかり。
伊集院(濱田岳)から
「個性が邪魔だ」と言われる。
そんな徹子に転機が訪れる。
新しい放送劇のオーディションを受けた徹子に、劇作家・飯沢(大森南朋)は意外なひとことを・・・。


第2話 再放送

徹子は、始まったばかりのテレビの現場で、森繁久彌(吉田鋼太郎)や渥美清(中村獅童)と出会う。徹子と渥美は会えばケンカを繰り返していた。カラー放送も始まり、寝る暇もないほど忙しくなった徹子は、ある日過労のためスタジオで倒れてしまう。入院した徹子は、渥美と夫婦役を演じているドラマにも出られなくなる。病室で見たテレビで、渥美のあるセリフに徹子はショックを受ける。


第3話 再放送

徹子は、バラエティ「夢であいましょう」、ドラマ「若い季節」という2つの生番組でレギュラーとして活躍。共演者の渥美清や坂本九(錦戸亮)と親しくなる。生ドラマにはハプニングがつきもの。ある日の「若い季節」では、放送が始まるとすぐセットが壊れたり、脚本が遅いため出演者がセリフを憶えていなかったりで大混乱。伊集院は、「終」と書いたボードを出そうとする。徹子は持ち前の機転と早口で、放送中止の危機を救うことができるのか・・・。


第4話 再放送

NHKを辞めフリーになった徹子は、ますます多忙な日々。ラジオドラマの現場で出会い親しくなった脚本家・向田邦子(ミムラ)に、一度ゆっくり休みたいと心境を打ち明ける。休養宣言をした徹子に、NHKの朝ドラ「繭子ひとり」の仕事がくる。徹子の役は青森から上京して家族のため必死に働くおばさん・田口ケイ。徹子は役作りに打ち込む。田口ケイは大人気となったが、徹子は伊集院の説得を振り切ってニューヨークへ旅立つ。


第5話 再放送

徹子は、脚本家・向田邦子のアパートに毎日入りびたっていた。たわいない会話をしながら邦子の手料理を食べる時間は、2人にとって大切な時間だった。時は流れ、邦子は初めて書いた短編小説で直木賞を受賞。徹子は祝賀パーティで司会を務めた。邦子は「おばあさんになった徹子さんを書いてみたい」と言う。しかし翌年、邦子は飛行機事故で世を去る。青春の一時期をともに過ごした2人の出会いから別れまでを描く。


第6話 再放送

徹子と渥美清は顔を合わせればケンカを繰り返していた。しかし浅草育ちの渥美が慣れないテレビの世界で悪戦苦闘する姿を見て、徹子は次第に親しみを覚える。「夢であいましょう」で息の合ったコントを演じる2人の仲は噂になり、マスコミにも書きたてられる。渥美が「寅さん」で大スターになってからも2人の交流は変わらなかった。「兄ちゃん」「お嬢さん」と呼び合った徹子と渥美の出会いから別れまでを描く。


最終話 再放送

徹子は「徹子の部屋」25周年のお客様に、記念すべき第1回のゲストだった森繁久彌を招く。徹子と森繁はこれまでの思い出を振り返る。森繁の第一印象は「ちょっとエッチなおじさん」だった。ドラマで共演した森繁は大事なシーンでもセリフを憶えず、大胆なカンニングをして徹子を驚かせる。「徹子の部屋」の収録は進むが、森繁はやる気を見せない。見かねた徹子はCM中に「こんな森繁さん見たくない!」と叱る。徹子と森繁の50年にわたる交流を描く。




キャスト

黒柳徹子…満島ひかり
子供に絵本を上手に読んでやれるお母さんになりたいという思いから、NHKの専属テレビ女優第1号になる。
以来、女優として、また司会者として、テレビとともに人生を歩んでいく。
愛称はトット。


渥美清…中村獅童
浅草でコメディアンとして活躍した後、テレビの世界にデビュー。
やがて映画「男はつらいよ」で、「寅さん」として国民的スターに。
徹子とは「お嬢さん」「兄ちゃん」と呼び合う仲になる。


坂本九…錦戸亮
ロカビリー歌手としてデビュー。
「夢であいましょう」「若い季節」で徹子と共演し親しくなる。
「上を向いて歩こう」の世界的なヒットで大スターとなる。
愛称は「九ちゃん」。


向田邦子…ミムラ
森繁久彌に才能を見い出され脚本家として頭角を現わす。
徹子とは、ある時期、毎日会うほどの親しい仲になる。
やがて「寺内貫太郎一家」などヒット作を連発。
また小説家として直木賞を受賞する。


伊集院ディレクター…濱田岳
徹子と同じ時期にNHKに入局。
徹子が出演する多くの番組のフロアディレクターを務める。
やがてディレクターに昇進。
徹子とは長いつきあいとなる。


黒柳朝…安田成美
徹子の母。
小学校を退学になった徹子をあたたかく見守る。
徹子のNHK受験のきっかけを作り、徹子がデビューした後も応援し続ける。


中華飯店の王さん…松重豊
NHKの近くの、徹子たち行きつけの中華飯店の主人。
テレビを通して徹子の成長を見守り続ける。
森繁の大ファンで、森繁が店に来たことが自慢。


飯沢匡…大森南朋
劇作家。
徹子の出世作となる「ヤン坊ニン坊トン坊」の作者。
オーディションを受けた徹子の個性を高く評価して主役の一人に抜擢し、徹子に大きな自信を与える。


大岡龍男…武田鉄矢
NHK文芸部のプロデューサー。
徹子がNHKを受験したときの試験官で、新人の指導にあたる。
失敗を繰り返す徹子を励まし続ける。


黒柳守綱…吉田栄作
徹子の父。
バイオリン奏者。
小学校を退学になった徹子に「どんな人間にも飛び抜けた才能がある」と教える。
その言葉は徹子の支えとなる。


沢村貞子…岸本加世子
徹子が「母さん」と呼ぶ、戦前から活躍する名女優。
「若い季節」ではセリフを覚えない共演者を一喝する厳しさを見せるが、何よりも夫を大切にしている。


森繁久彌…吉田鋼太郎
映画や舞台で輝かしい実績を持つ大スター。
いつも女優たちをはべらせた「ちょっとエッチなおじさん」だが、圧倒的な演技力で徹子を感動させる。
徹子とは50年をこえるつきあいとなる。


百歳の徹子さん…黒柳徹子
未来の世界からやってきた。
駄菓子屋の店先に座り、テレビの世界に生きる徹子たちをみつめている。


語り(パンダ)…小泉今日子
動物好きな徹子の、仲のよい友達。
百歳の徹子の傍らにいて、ドラマの語り手を務める。