ロンドン留学中は、可能な限り、興味のあるコンサートに足を運びました。その中で印象深かったものの一つが、ウィグモアホールでのイザイ・カルテットのコンサートでした。
2014年にその活動に終止符を打ったそうですが、その当時の彼らの演奏は、一瞬足りとも飽きさせない、半端ない熱量の緻密な音楽と艶のある音色で築き上げるハーモニーで、私はその時、本当の意味で、カルテットの魅力を初めて知りました。
そして今も、イザイ・カルテットとピアニストのパスカル・ロジェのCD「フォーレ:ピアノ四重奏&ピアノ五重奏(DECCA・1995年録音)」を聴くたび、そのウィグモアホールでの彼らのコンサートの熱気が、鮮やかに蘇ってきます。