私たちは音楽、文学、映画、想像や夢、
ありとあらゆる方法で次元や時空を超越し、縦横無尽に飛び回ることができる。
だから時々不思議に思う。
自分が重くて硬い肉体の中に閉じ込められていることが。
主な動作がこの十本の指に限定されてしまうことが。
重力に準じて地面に張り付き、
この世界を自由に浮遊することができないこの身体が。
表現をしなければ伝わらない意思。
隠匿された意思。
不透明で不安を伴う肉体の壁。
意思とはそんなものであった?
不意にそう感じることがある。
まあそんなこと言ったって、自分が今肉体の中に閉じ込められていることは現実であり、心臓は拍動を続けているのである。
肉体に閉じ込められ、重力に沿って硬い地面を踏んで、夢や幻想を見て歩いていく、それがこの生での定めなのだろう。
