戦極バトルロワイヤル第2回戦が始まるところだった。
シード権を握っていたファイズが行方不明。
残るはディケイド・アギト・オーズ・フォーゼ・カブト・龍騎だった。お互い向かい合うディケイドとアギトは時間まで5分ほどあったので少し喋っていた。
「ファイズの野郎シード権を握っていたのにも関わらず。まさか相打ちか?」
「ふん。そんなことを気にしている前に俺との戦い楽しませてくれよな。」ディケイドはアギトに向かっていった。
「しかし、おかしいよな。今まで事件があったら、中学生の野郎の邪魔が入ってくるだろうに。なぜ、やつの情報が1つもこないんだ?」「・・・・・・・キタ。・・ツヨ・・スギ・・・・・・・ピィィィィィ」
「何かやばいぞ。」
「今の通信どこからだ?」
「場所がわからない。誰がどうやってどの武神を倒したのかがわからない」
ディケイドの足は少し震えていた。
「どうした?そんな震えちゃって。そんな不意打ちを使って攻撃する奴なんて・・・」
いるわけがない。最後の言葉を言われる前に倒されてしまった。ディケイドの焦り・恐怖・震えが頂点に達した。「俺を、た、倒しても意味ないし・・・・・や、ややめてくれぇぇ」
ライドブッカーソードモードを振り回すディケイドは相手の腹に当たって火花を散らす。斜め右上から左下に垂直に。剣の先で相手をついたり。カードが変身ベルトに挿入され爆発四散に散った。
その頃トウカとミキナはヒュウガを探すためなでしことファムに変身し、上空を飛行していた。
「ほんと馬鹿なんだから。こっちの身になって考えて欲しいんだから」
「そういいながら心配しているくせに。」
「違うから。なんであいつのために心配しなくちゃいけないの。やりたい事が沢山あるの!」
「はいはいわかりました。」
とトウカが言ったことを軽くながした。
2人はそうこうしてるうちに埼玉県に着いた。ここからは変身解除をして目的地まで歩く。
「ほんとにこんな所にいるの?」
トウカが言ったことに一理あると思うミキナは返答した。
「しょうがないよ。連絡が来たんだから。受験のことも考えなきゃいけないけど。その前にヒュウガを探し、受験ができるように環境を作ってもらわなきゃいけないから。」
「でも本当にこれでいいのかな?」
「何が?」
「ヒュウガも自分の好きな事があるはず、なのに世界を守らなきゃいけないのはおかしいと思う。」
「やっぱヒュウガのこと好きなんだ。」
「うっ・・・・今はそんなことは考えないで。」
「大丈夫。応援するから。」
「だーか~ら・・・」
「冗談、冗談。あ、見えてきた。」
2人が向かっていた場所は廃工場だった。
そう、数時間前にオーズとフォーゼから連絡があったのだ。ディケイドを返して欲しかったらこい。と。
「遅かったじゃないか。」
頭上からオーズが話かけてきた。
「ディケイドはどこにいるの?」
ミキナの落ち着いた声が廃工場に響く。目の前にフォーゼが歩きながら、「ディケイドなんてここにいないぜ!」
「一体どういう意味?」
「はめられた。あなたたちは私達を倒し、拘束しようとしている。それであってる?ミキナ変身」
「言われなくてもわかってる。」
オーズは2人の頭上から飛び降りパンチを繰り出したが2人によけられた。フォーゼも続くように突っ込んできたが、
「ソードベント」
という機械音声と共にウイングスラッシャーを召喚し、フォーゼの腹から上にめがけて切り裂いた。その衝撃でフォーゼは背中から落ちた。
「たっぷり可愛がってやるよ。」
その言葉にミキナは背筋が凍るような気がした。