
いってきます
そういったときに、ノアが真ん丸な目をこちらに向けた。
首を持ち上げてまっすぐに私を見た。
もう一度戻って『いってくるね』そういったけど、あれはノアの『いってきます』だったのかもしれない。
仕事中、母からメールがきた。
たったいま、、、、、
不安で不安で、仕方ないその瞬間だった。
二日前、ノアと嗅いだ花の香りはこれから強くなるのに。
今年は桜も見ていないよ?
でも、私の誕生日は、がんばってくれたんだね。
ありがとうね。
本当にありがとうね。
大好きだよ。
だから、今日は、ずーっと触ってても怒らないでね
体に触れる残り短い時間だけ。
もうどこもいたくないよね
きっと、ジョンさんも迎えに来てくれてるよね
いつも私たちに『いってらっしゃい』してくれたもんね。
明日はちゃんと、お見送りするから
いまはまだ。あとすこしだけ
昨晩のあなたを忘れないように。
