一人シュプレヒコール | 純粋惰性批判

純粋惰性批判

ロマンチストの賞味期限は、短い。※フィクション内包型 ※カント未読


ヨーグルトの中に落とした
苺の群れ
スプーンの腹で
ぐじゅぐじゅに潰して
染み出る赤い汁
白と赤のマーブル
粘度をまとった赤い肉片
破壊はめっぽう美しい


人間の根っこにはきっと
壊したい欲望があって
しかし誰でもそれをする勇気はなく
私たちは既存を守りがち
だから時たま現れる破壊者を
あがめて盲従してしまう
愚かな人間のなきところ
カリスマもない


不思議なのよ
どうしてアホみたいに大量の核を持っている国が
他の国に持つなと言えるのか
どうして飢えているのに
子供を増やすのか
どうして権利の上に眠りながら
義務にばかり敏感なのか
今、外から聞こえてくるシュプレヒコール
これはきっと報道されることもないでしょう


民主主義というものが
果たして正義なのだろうか
憲法と聖書の違いは
一体なんだろうか
この合理性と明確性ばかり求められる社会の中で
彼らの言う「人権」というものが
光り輝くほど
曖昧無根拠不合理であることに気付いたのです
どこにあるの?
どうしてあるの?


いくら権利があったって
意味を与えてはくれない
それは彼らの裁量ではないのだ
自分自身もしくは
孤高の誰かが
生に意味をもたらす
はず


きっと春は美しいけれども
私は紫外線にやられて
頭の左側が痛むから
冬の厳しさの中で感じた
ほのかなあたたかさを懐かしんだ

シャンプーを変えた
頭は変えられない