2014年7月、長崎県佐世保市で、高校1年生の女子生徒が同級生を殺害するという非常に痛ましい事件が起こりました。

当時15歳の少女による事件だったこともあり、大きな衝撃を与えました。




さらに、加害少女には自閉症スペクトラム障害などがあり、事件前から動物を傷つけるなどの問題行動があったことから、「発達障害と犯罪」という観点でも注目された事件です。

今回は、事件の概要と背景、そして過去に起きた「少年A」による事件との共通点について整理します。



事件の概要

2014年7月26日、長崎県佐世保市のマンションで、当時15歳だった女子生徒が、同級生の女子生徒を殺害しました。

加害少女と被害者は同じ高校に通う同級生でした。

加害少女は事件後に逮捕され、未成年による重大事件として大きく報道されました。



事件前から問題行動があった

この事件で特徴的なのは、殺人事件が突然起こったわけではなかったことです。

加害少女には、事件よりかなり前から問題行動がありました。

小学生のころには動物を解剖するなどの行為があり、精神科医の診察も受けていました。

さらに中学生のころには、父親を金属バットで殴る事件も起こしています。

つまり、事件に至る前から、周囲が対応に苦慮するような行動が続いていたのです。



加害少女には自閉症スペクトラム障害があった

事件後の調査では、加害少女には自閉症スペクトラム障害(ASD)などがあることが明らかになりました。




「少年A」との共通点

ここで思い出されるのが、1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件です。

いわゆる「少年A」と呼ばれた当時14歳の少年が、小学生らを襲い、最終的に11歳の男児を殺害した事件です。

この少年についても、事件前から猫などの動物を殺傷する行為があったことが知られています。

そして、佐世保の事件でも、加害少女には事件以前から動物を傷つける行為がありました。

つまり、

動物への殺傷行為などの問題行動

その後、人間に対する重大な暴力・殺人

という経過に、一定の共通点があるのです。

もちろん、これは非常に怖い共通点です。

ただし、

「動物を傷つける子どもは、将来必ず人を殺す」

という意味ではありません。

動物虐待をする子どものすべてが重大犯罪に至るわけではなく、逆に動物虐待がないまま重大犯罪が起こるケースもあります。




少年Aについても、精神鑑定などをめぐってさまざまな議論がありました。

そのため、佐世保事件と少年Aの事件を並べると、

「どちらも自閉症だから、同じような犯罪を起こしたのでは?」

と思ってしまうかもしれません。
どうなのでしょうか。

自閉症そのものが殺人につながるわけではありません。

幼少期からの非常に強い問題行動
動物を傷つける行為
家族への暴力
本人の精神状態
周囲が対応に苦慮していたこと
早い段階から専門的な支援が必要だった可能性

といった部分は注目したいです。



「もっと早く介入できなかったのか」という問題

この2つの事件を見ていると、どうしても考えてしまうのが、

「もっと早い段階で何かできなかったのか?」

ということです。

もちろん、過去の出来事を振り返って「こうすれば事件を防げた」と断言することはできません。

しかし、子どもが動物を繰り返し傷つけたり、家族に深刻な暴力を振るったりする場合には、単なる「困った子」「育てにくい子」として片付けるのではなく、専門機関による評価や支援につなげることは重要でしょう。




まとめ

佐世保女子高生同級生殺害事件は、15歳の少女が同級生を殺害した衝撃的な事件でした。

加害少女には自閉症スペクトラム障害などがあり、事件前には動物を傷つけるなどの問題行動もありました。

そして、過去の「少年A」による連続児童殺傷事件でも、事件前の動物殺傷が知られています。

動物への殺傷行為などの問題行動が先にあり、その後、人間に対する重大な暴力へと発展した

という点には、確かに共通点があります。

重要なのは、発達障害の有無だけではなく、非常に深刻な問題行動が見られたときに、本人と家族をどう支援し、どう安全を確保するのかということなのではないでしょうか。

この2つの事件は、その難しさを考えさせられる事件の一つだと思います。