マンホール最終話(後半)セリフ+ストーリー紹介 | ジェジュンさんと天子ちゃん♡

マンホール最終話(後半)セリフ+ストーリー紹介

 

 

「スジン!!!」

スジンが待っていたピルが、そこに立っていた。

 

慌てたように再び誓いを催促する神父。

「カンスジン嬢は朴ジェヒョン君を夫として迎えますか?」

スジンは断固として答えた。

「いいえ。私は、この男性とは結婚できません。」

 

「スジン。どうしたんだ。」

「朴ジェヒョン。あんた二度と私の周りをうろつかないで。わかった。」

脛蹴りのおまけまでついたスジンの決別宣言終了。

 

「スジン」

「ピル。」

「お前マンホールに乗ったんだろう?」

「うん。どうして今頃来たの。私がどれほど待ったと思う。」

「遅くなってごめん。」

「行こう。」

二人は手を取り合い、結婚式場を走り抜けた。

 

主役が消え、ざわめく式場内。

その中には、ジェヒョンの元恋人もいた。

 

 

「わ~、最高だ。スジン大丈夫か?」

「大丈夫。

ピル、ナイフで刺されたところは大丈夫なの?」

「リセットしたら治ってた。心配するな。」

「その点は間旅行のいいところね。私はピルが死んじゃうんじゃないかと、ものすごく心配したのよ。」

「俺は、またスジンが覚えていないかと思って、それが心配だった。」

「ピル。私たちこれからは、ずっと一緒にいましょうね。」

「そうだね。どこにいても、どの時間にいても、何時でもお前の傍にいるから。心配するな。」

 

一か月後

 

11時40分。

 

「スジン、大丈夫か?」

「大丈夫。まだ召喚されてない。」

「不安でたまらない。俺がそっちに行くから。」

「どこ?私の部屋に?」

「行くから。」

「や、や、両親が起きたらどうするの?」

「大丈夫。」

 

屋根伝いにスジンの部屋に侵入したピルは、そのまま

スジンのベッドに潜り込んだ。

「何してるのよ。」

「召喚される時も、一緒に行かなちゃ。早く入れ。

さぁ、右手。」

「12時過ぎたら帰るのよ。」

「わかった。

ところで、これ何の音だ?」

「なに?」

「お前の心臓の音みたいだけど?」

「違うわ。あんたの音でしょう。」

「そうかな?こうしてるから、ほんとにいいな。」

「知らない。何時なのか時計でも見なさいよ。」

「あ、そうだ。ちょっと待って。11時59分だ。」

「10,9,8、7・・・・召喚されなかった。」

「は~~。今日も無事に過ぎた。」

「スジン。俺ここで寝て行こうか?」

「なに?」

「ダメ?」

 

「スジ~ン。」

スジン母の声に慌ててベッドの下に隠れるピル。

 

「寝ないで何してるの。誰と話していたの?」

「ジンスクと電話してたの。」

「寒いのに、どうして窓を開けておくのよ。」

「母さん、私が閉めるから。おやすみなさい。疲れているでしょう?」

「そうね。おやすみ。」

 

「これ、スリル満点だ。」

「あんたのせいで、やってられないわ。」

「スジン。明日もまたやろう。」

 

翌朝。

「お前、何時までこうしている気だ?」

「引っ越しでもしなきゃ。出かけるたび、町内の人たちに、どうして破談になったの?と聞かれるから、恥ずかしくて顔を上げて歩けない。」

「縁がなかったと思えばいいだろう。スジンが嫌だと言うのにしょうがないじゃないか。」

 

スジンが二階から降りて来た。

「スタジオに行ってきます。」

「あなた、こんな時に仕事ができるの?」

「母さん。また。どうしたのよ。」

「ピルとこのまま付き合う気なの?」

「ピルの、どこがどうだって言うのよ。」

「ほんとに分からなくて聞いているんじゃないでしょうね?

プー太郎のうえ、見どころもない。あんたの何が足りなくて、あんな男と付き合うのよ。」

スジンの母が、ピルを貶していると、隣の家からピルの声が聞こえて来た。

 

「わ~!すげ~!俺、合格したのか?」

 

「どういうことだ?ピルの声じゃないのか?」

「きゃ~!」

 

 

「母さん。父さん。僕合格しました。」

「あなた、まさか。ピルが・・・・ピル?・・・・・・・どこ行くんでしょうね?」

「うふふふf。スジンのところに行くんでしょう。」

「スジン?」

 

ピルは、スジンの家に駆け込んだ。

「スジン。おれ警察公務員に合格した。」

「よくやったわね。ピル。」

「これも全部お前のお陰さ。」

 

「う、う、ん。私たちもここにいる。」

「家の中でみっともない。」

「おはようございます。僕、合格しました。」

<web発信>

『長くて辛い関門を通過し、警察採用試験に最終合格されたこと、心からお祝い申し上げます。

新任教育課程を終え、国民とともにする、温かく信頼のおけるソウル警察へと生まれ変わることを願います。

ソウル地方警察庁長

治安正監 キムデファン』

 

「一寸の虫にも五分の魂というけど、ともかくおめでとう。」

「ありがとうございます。」

 

ピルの両親までカン家にやって来た。

「ピル。ほんとなの?」

「ほんとですったら、見てください。」

ピルはweb通知を見せた。

「警察庁・・・あら、あら~。ぴる~。」

「信じられないな~。」

「これからは、堂々と外を歩けるわ。」

 

「あ~らま~、おめでとうございます。」

「ありがとうございます。」

「真心は天に通ずると言うけれど、遂に合格されましたわね。」

「うちのピルは、いつだって出来る子だったのに、あなたに見る目が無かったんでしょ?ピル食べたいものがあれば全部言って。母さんが作ってあげるから。」

「わかりました。スジン、仕事に行かなきゃならないだろう?行こう。送ってやるから。」

「では、行ってきます。」

 

「あら、こうしてみると、二人とってもお似合いだと思いませんか?」

スジン母は変わり身が早い。

「そうですね。」

「でしょう。」

スジン父も早かった。

 

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『勉強してこそ、きれいな女性と結婚できる。』

目標達成のスローガンを剥がすソクテ。

 

「合格したと、もう荷物整理か?」

「残念だな。」

「おめでとう。」

「ありがとう、お前たちにもいい知らせがくるよ。」

「なんにしても合格おめでとう。給料もらったら奢れよ。」

「みんな酒が飲みたいときは俺に連絡くれ。俺がおごるから。」

「忘れるなよ。」

 

ソクテも公務員試験に合格したようだ。

 

長年の同志と別れの挨拶をしていたソクテの電話が鳴った

「ハイ。父さん。どこですって?」

 

父の指定した店に入ると、美女が声をかけて来た。

「あの、チョソクテさんですか?」

「僕?どなた?」

「今回、公務員試験合格されたんですってね?」

「はい。」

「私もつい最近銀行に就職したんです。私たち二人とも安定した職場で幸いですね。でしょ?」

「ところで、僕の父に何を聞いたかわかりませんが、実は僕には好きな人が・・・」

言いかけたソクテの前方にジンスクが・・・・・

 

「おめでとうございます。」

「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

「本社に用事があるので、先に失礼します。」

見知らぬ会社員と握手を交わすジンスク。

彼女にも何かめでたい出来事があったようだ。

 

「ヤァ、ソクテ。何してるの?」

目ざといジンスクが気づかないわけがない。

「ジンスク。」

「ソクテさんの友達ですか?」

「はい。どなたですか?」

「お見合い中です。」

「ああ。」

「ジンソク、そうじゃなくて。」

「そういうこととは知らず、失礼しました。じゃ、またね。」

「ジンスク。・・・すみません。僕好きな人がいて・・・」

「え?」

「すみません。すみません。」

ソクテは急ぎ席を立った。

 

「一生、私だけだと言ってたくせに。男はみんな同じだわ。あ~、いい天気。」

「ジンスク。」

「何?最後まで見合いしなくちゃ。どうして来たの?」

「あれは、したくてしたんじゃなくて、父さんが俺に相談もしないで準備した席なんだ。だから、誤解しないでくれ。」

「言い訳なんてしちゃって。あんたが見合いしようがしまいが関係ないわ。」

「どうしてそんな言い方するんだ。俺がほかの女と付き合っても関係ないのか?」

「うん。ぜ~んぜん。それから、どうせ付き合うなら、ものすご~くきれいな女と付き合いなさい。」

「どうして、関係ないなんて言えるんだ?俺はお前がほかの男といるのを見ただけで腹が立つのに。」

「知らないわよ。じゃね。」

「待てよ。今はっきり言え。俺はお前にとって単なる友達なのか?男と感じたことは無いのか?」

「どうしたのよ。放して。」

「いやだ。絶対答えを聞くんだ。言えよ。俺はお前の男として、Yes?No?]

「Yes  or  no..」

「これでもあれでもないと言うことか?」

「可能性はあるってことよ。馬鹿ね。放しなさいよ。」

 

カップル成立?

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「僕が愛している~♬

あなたは~~♬」

ダルスの歌声が響くレンタルショップ。

 

「ダルスオッパ、オッパ。」

「ジョンエ~♬」

「うん?」

「来たな。」

「ピルが警察公務員合格したんですって。」

「ほんとか?とうとうピルがやり遂げたんだ。」

「ソクテも数日前に合格したのにピルまで。公務員の友達がいるから、頼りなっていいわ。でしょ?」

「そうだな。それはそうと、スジンが一番喜んでいるだろう?ピルがプー太郎だと今までスジンの母親が不満そうだったじゃないか。」

「合格したと聞いて、態度が180度変わったそうよ。」

「やっぱり、男は成功してみないとだめなのかな?」

「心配しないで。私はオッパが成功しなくても好きだから。」

 

「これなに?」

「中学の同級生が、結婚すると招待状送って来た。」

「オッパの友達はみんな結婚するのに、オッパは結婚しないの?」

「ジョンエ、お前は結婚が愛の最終目標だと思うのか?」

「じゃ、なに?愛しているから一緒にいたいんだし、一緒にいたいから結婚するんでしょ。違うの?」

「結婚しなくても、愛していれば一緒に暮らせる。俺たちみたいに。」

「私は正直少し怖い。こんなことしているうちにオッパの気持ちが変わって、私の前からいなくなったらどうしよう?って。」

「結婚しても分かれる人たちは分かれるんだ。結婚は制度で、愛を持続させる魔法じゃないんだ。」

「それはそうだけど。」

「ジョンエ。俺を見て。お前の気持ちが変わらない限り、俺はお前と絶対別れない。俺を信じろ。わかった?」

「わかった。」

「おいで。」

「ところで、さっきはどうして私の名前を呼んだの。」

「歌さ。」

 

素直に愛を語れないダルスとストレートなジョンエの恋。

ハッピーではあるが、グギルの入り込む余地は、まだまだありそうだ。

 

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「薬は飲んでいますよね?」

「はい。」

「どうですか?最近も感情の起伏が激しいですか?」

「前よりは良くなった気はしますが、今でも時々・・・」

「一旦、薬の処方を変えてみますね。今のようにきちんと受診していれば、間違いなく良くなっていきますから、サボらずに受診してください。」

 

女性が診療室に入ってきた。

「どうしたのですか?診療中なのですが?」

「保護者です。もう行きましょう。ジェヒョンさん。」

ヨンジュが手を差し伸べた。

 

これも一種のハッピーエンド?

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「今何時?」

「ちょっと待って。11時59分。」

「急いで、急いで。」

「うん。」

手をつないだスジンとピルは、祈るような気持ちで、12時が過ぎさるのを待っていた。

 

「今日も無事に過ぎてった。」

「スジン。ずっとはらはらしながら生きるなんて、これ以上俺には出来そうもない。」

「二人でマンホール塞いじゃおうか?」

「いや。マンホールを塞ぐより、もっといい方法がある。」

「うん?」

 

 

「スジン。これから俺たち、どんな時間でも、何処にいても、いつでもお前の隣に俺がいることを許してほしい。」

「やぁ」

「マンホールが、二度と俺たちを引き裂けないように、一生お前の傍で守れるようにしてくれ。」

「ピル。もっと確実に、明確に、分かりやすく言って頂戴。だって、4文字でいいじゃない。でなければ3文字。」

「愛してる。愛してるスジン。結婚しよう。」

「ほら、気持ちが変わらないうちに早く指輪はめて。」

 

 

 

二年後

 

 

「ウリちゃん。こっちみましょう。」

「こっち。こっち。」

「かわいい。」

 

「うちのピルは子供の面倒を見るのが上手ね。」

「ほんとに、こんな才能があったのね。」

「不思議だな。」

「俺は、夫になる準備ができている新郎候補だって言っただろう。」

 

「ウリ~。」

本物のパパとママの登場。

「ウリ。パパに会いたかっただろう?遅くなってごめんね。」

 

「ソクテ。父親が子供を預けて、こんなに遅れてくるって、有りか?」

「仕方なかったのよ。お弁当を買う列がすごかったんだから。」

「スジンが子供産んだら、ピルが面倒見た方がいいぞ。意外に上手だ。」

「もちろん。スジン。生むだけでいいんだ。後は俺が責任持つから。」

「うん。」

「や~!や~!もう分かったから。赤ちゃんが泣く前に写真撮ろう。」

ダルスの一声で、撮影が始まった。

「1,2,3.」

「スジンも一緒に撮ろう」

「1,2,3」

 

一名増員したファミリーのハッピーな写真撮影風景。

そんなファミリーメンバーの一員・・・ピルをひそかに観察している未確認生物がいた。

 

『あの人間か?私たちのワームホールを利用したのは?』

『不可能なミッションに挑戦したそうです。』

『不可能なミッション?それは何だ?』

『愛を成就させようとしたようです。』

『28年間成就出来なかった愛です。』

『愛?それは人間にとって、それほど重要なことなのか?それでミッションは成功したのか?』

『ご覧の通り。』

『興味深い。記録しておけ。』

『それでは、ワームホールを撤収しますか?』

「いや、そのままにしておけ。人間たちの愛をもう少し研究しなくては。」

『適合する人間はいるか?』

 

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ある日の夜・・・12時5分前。

 

ビリヤード場を清掃中のグギル。

 

「ジョンエは店閉めたかな?」

グギルはジョンエに電話を入れた。

「もしもし。ジョンエ?店は閉めたか?」

「店を閉めて家に帰る途中。グギルオッパはどうして電話してきたの?」

「なんとなく電話した。ジョンエ、腹減ってないか?十字路の屋台で会おうか?うどん奢るから。」

「私がグギルオッパと、どうしてうどんを食べるのよ!

ダルスオッパとラーメン食べることになってるの。切るわよ。変な人間。」

「ジョンへ、ちょっ。

・・・そうだよな。こんな時間に何がうどんだよ。太るだけだ。家に帰って、足でも洗って寝るか。」

 

12:00

グギルが消えた。

今回、未確認生物の研究対象になったのはグギルだった。

 

「うぉ~~~~!ここはどこだ~。わ~。」グギルの絶叫は続く。

 

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「時間が過ぎるって早いな。結婚してもう一年だ。」

「うん。ところで、もう召喚されないところを見ると、マンホールは作動しないみたいね。」

「そうだな。

考えてみると、マンホールが無ければ一緒になれなかっただろうし、一方ではマンホールに感謝してる。だろう?」

 

「や~~~~!」

グギルだ。

「俺の話を聞いてくれ。」

「どうしたんだ。」

「この話をファミリーにしたんだけど、みんな狂ってるって。でも、お前たちは信じてくれるだろう?」

「なぜ?」

「夜の12時になると、しきりにおかしなことを経験するんだ。オダルスになったり、幼稚園児になったり、過去と現在を行ったり来たりするんだ。

軍隊にも、また行って来たんだ。

今経験していることなんだったら。リアルだよ。リアル。」

「ははは。」

「どうして笑うんだよ。」

「マンホール?」

「マンホール?」

 

終わり。