薄い文庫本、小さくてそれは児童書を読んでいた私にとって、大人びたものでした。子供向けから大人のに色々と変わってきた時期でもありました。
SF作家眉村卓にもハマりました。
本の後ろに載っている眉村卓の作品一覧を眺め、タイトル買いをしていました。
「変な男」
「奇妙な妻」
「ねじれた町」
どこか奇妙で不条理なタイトルに胸がカッときました。
眉村卓の作品は、無味無臭で乾いていました。
ミニマリストの男性の部屋のように、パソコンと白いマットしかないような。。それが心地よかったのです。
眉村卓のショートショートを、よく読みました。一分間あれば読める作品ばかり集めた「一分間だけショートショート」など。
残念ながら忘れてしまったものが多いのですが、繰り返し何回も読んだ一番好きな話がありました。
宇宙に行くために訓練をする乗組員たち。
四角い、味のしない宇宙食を食べます。
最初は味付けして調理しますが、だんだん面倒になりそのまま食べるようになります。
訓練が終わり、やったー!ラーメンを食べよう!いや、カツ丼か?と食べ物屋に行きます。
しかし…
味が濃くて食べれないのです。
宇宙食を食べていたからでした。
文句を言う乗組員でしたが、一般人とは違う感覚を手に入れれたからいいじゃないかと言われます。
どの小説だったかタイトルを忘れてしまいましたが、また読みたいです。
最近では僕と妻の1778の物語が話題になりましたが、どうもこういうヒューマニズム溢れるような作品は、眉村卓が書いたとはピンときません…
読んでいないので、想像な部分があるので誤解しているのかもしれませんが…

