
江戸川乱歩「時計塔の秘密
」もう一冊頼んだ古本が届きました。
第45巻なので、かなり後期の作品です。
復刻はされていないので絶版です。
もう一度読みたいと思いました。
蜘蛛男に並び好きな話でした。
蜘蛛男は、猟奇殺人事件が凄かったのですが、この時計塔の秘密は、子供の冒険心をくすぐりました。ちなみに原作は江戸川乱歩ではないので毒がなんにもありません。
財宝が隠されていると噂される時計塔。
財宝を隠した本人が仕掛けに出れなくなって亡くなったという。
本の途中から明智小五郎と少年が、美女を追い、時計塔に入っていくシーンからは、まるで一緒に行動している気持ちになります。
ドアの入口が一時間に数センチしか開かないので、まず何時間も入れないあたりからして面白いです。
※秘密のじゅ文
世のなかかしずかになったら、わが子孫は宝をとりださなければならない。
鐘がなるのを待て。
緑が動くのを待て。
そして、まずのぼらなければならない。
つぎにくだらなければならない。
そこに神秘の迷路がある。
くわしいことは、心して絵図を見よ。
こんな心くすぐる宝の隠し場所を書いたものもあります。
なんとか入口が開いて中に入ります。上と下に階段があり、少年は下に行こうとします。
明智小五郎は「まずのぼらなければならないと書いてある」迷路というものは下りとみせかけて上に行くと言ってました。
そうなのですか!?ほぅ~。
宝を隠した人の白骨死体があり鍵がにぎられていたり。
落雷が轟いたり。
美女が死のうとしたが、落雷に驚いて倒れていたり、宝の箱が鍵で開いたり。
小学生の時は、本を読むのは寝る前でした。寝付きが悪いので本を読みながら寝る作戦だったのかもしれません。
小さな照明が枕元にあり、ベットの中で読んでいると、薄暗さが時計塔の中のようでした。
今も、あの時のようにワクワクを味あえのでしょうか?
私は昨夜布団に入り、あの時の小学生に戻ったら感覚と、今読むとどうなのか?そう考えながら読みました。
時計塔探索の前まで少し長くは感じましたが、美女を妬む話や、サルを連れている太った女、美容整形を営む不思議な老人。美女の手首には秘密が。
白痴の少年が明智小五郎のかわりに殺されてしまうなど、飽きはしませんでした。
時計塔探索は、昔程の興奮はなかったかもしれませんが、ああこうだったと30年ぶりの再会を喜びましたね。
余談ですが、小学生の私は、この本を読もうと本棚に行くと毎回「三角館の恐怖」を持ってきてしまうのです。
途中まで読んで、あれ?時計塔探索がないとガッカリしました。

