学校の図書室で借りた、ポプラ社の少年探偵江戸川乱歩シリーズです。


こういう少し恐い表紙がズラリと!いいですね~。
大きめで、ガッチリした本でした。

この帽子を被った怪人。黄金仮面のマーク。今見ると胸に熱いものが込み上げてきます(笑)
このシリーズを好きだと思ったのでしょう。父親が何冊か買ってきてくれました。
学校の図書館で借りれますが、自分の本になったというのも当時感激した記憶があります。
毎回パターンとして、怪しげな例えばボンヤリ光っている夜光人間が現れて、世間をざわつかせます。新聞にも掲載されたり噂になったり、それが毎度おなじみの怪人二十面相だったりするんですが、その最初の引き込み方がうまいんです。
私なんかはオカルトは好きな方でしたし、不思議な怪奇現象に興味津々、でも怖い!しかし、不気味さも良かったのです。
暗号が出てくるのも謎解きが面白かったです。
「大金塊」より
”獅子が烏帽子をかぶるとき
烏の頭の兎は三十
鼠は六十
岩戸の奥を探るべし”
この暗号文を見て懐かしさにこれまた胸が熱くなります。
このシリーズは46巻あります。
しかし、復刻したポプラ文庫クラシックは、全26巻しかありません。
調べてみると、26巻までが少年探偵団のシリーズで、それ以降は出ていないようなんです。
私も小学生の頃おかしいと思ってはいたのです。やけに大人じみた話がシリーズ後半に多く登場するので…
しかも怪人二十面相が出なくなります。明智小五郎は出てはいますが、怪人二十面相は人を殺しません。ある意味安心感があります。
しかし、後半のシリーズは犯人が二十面相ではないのでバンバン殺人が行われるのです。
だから半分は無くなったのかぁと納得しました。でも残念です。二十面相の謎解きがワンパターンになっていて食傷気味だっただけに新鮮さがありました。
その今は絶版になった中に凄く好きな話がありました。
それは…

蜘蛛男です。
何度読み返したか分かりません。
学校の美術の時間に、手の形をした石膏を誤って男子生徒が落としてしまいます。
中には本物の手と腕が…新聞には※男子生徒「ボロ雑巾かと思った!」
次は水族館に、まるで人魚のように美しい女性の死体が泳いでいる場面など。
猟奇的な殺人事件が私の琴線に触れてしまいました。
謎解きも、面白かったです。
新聞広告のおかしい部分に気付く明智小五郎。その時はD坂道の殺人事件とは違い、真っ白なスーツ姿です。西洋から帰ってきたとか。
好きな話ですが、やはり犯人が二十面相ではなかったのは悲しかった記憶があります。
(人を殺している時点で違うのですが…)
そんな訳で、児童向けの江戸川乱歩しかほとんど読んだことがありません。
だもんで、江戸川乱歩はオドロオドロシイ、とか聞くと「そうなのかなぁ?」と思ってしまいます。
少年少女に優しく問いかける江戸川乱歩。
また読みたいものです。