
古本屋で目が止まり、ペラペラめくってスルーしようかと思いましたが、瓶詰の地獄の話に惹かれました。
わりと綺麗だったので購入しました。
惹かれた1つに丸尾末広先生には珍しく、褐色の男女が描かれていることです。

南の島に漂流してしまった幼い兄弟。

食べ物はありあまるほどありました。

ここは天国でした。

しかし段々成長していく妹。

奇跡のように美しいと書かれています。
二人は禁断の想いに苦しみます。



漂流した時に数少ない持ち物の中に聖書を持っていました。
近親相姦は重大なタブーなのです。
瓶を3つ持っていました。
助けのメッセージ。を入れて。
今は苦悩したのち二人で死のうとしています。
食べ物は充分にあり、病気もしたことがない二人です。

しかし兄弟だということで、この美しい島はスッカリ地獄なのでした。
だいたいのあらすじでした。購入しようと思ったのは丸尾先生のグロさがあまりにも薄く、ただただ美しい絵を見せてくれるからです。
近親相姦なんてなんてことなく描いてしまう丸尾先生らしくない。
私は丸尾先生の絵を高く評価しておりますが、内容には滅入ることが多いのです。
でも今回は品がある。
それもそのはず、原作は夢野久作先生でした。
ドクラマグラでめげたわたしでしたが、短編集少女地獄は面白く読ませていただきました。

「ネエお兄様…あたし達二人のうち一人が死んらあとはどうしたらよいのでしょうネエ」
このカタカナの使い方。まさに夢野久作先生です。
瓶を使ってループしてしまう作風。
これは夢野久作先生の原作も読みたいです。
そしてそれを絵に出来るのは丸尾末広先生しかいません。
私は丸尾先生のオリジナルにはついていけないので、こういう風に原作のある作品を絵で表現してもらえたらなと思いました。
それにしても近親相姦…他に異性がいない状況なら兄妹であっても仕方ないかもしれません。私には兄弟がいないので想像のみですが。