そこで滝本晃司は『海にうつる月』という歌を出してます。
『夏の前日』でなんだか気になる存在だった滝本晃司。
海にうつる月 YouTube


『海にうつる月』は物凄い名曲だったのです。
最初の歌詞が[ジュースを飲んでほどけてしまう景色…]もう滝本ワールドに入ってしまいますね。そのあとは[君は大事なリボンをなくし…
僕は丈夫なカバンが壊れ…]何かを象徴しているような喪失感がある歌詞ですね。[白い午後に時計の音がとけて~きえて…ゆるされている…]ずっと淡々とした音程が続きます。
サビに向けて我慢しているかのように聞こえます。最後は穏やかですが、一気に歌い上げます。[海にうつる月をすくい、君はナナメのまま…ゆるやかなまま遠くのまま…不思議と笑ったまま…]
私は涙が出ました。悲しくも懐かしいノスタルジーに包まれました。まるで母の胎内にいるような安心感と、不安定な悲しみ。
滝本晃司の消えそうでいてしっかりしているボーカル。全体的にゆっくりした空気の中で迎えるカタルシス。
たまというバンドは奥が深いです。外見の珍妙さだけで騒ぎ立てて欲しくないバンドです。
そのあとはドラマはぐれ雲の主題歌[夕暮れ時の寂しさに]など活躍していきますが、だんだん世間から忘れられて行きます。。
私もメジャーになりすぎて魅力が薄れた感がありました。
それから何年か経ち、私は子供が生まれ、子供は[いないいないばぁや、おかあさんといっしょ]などの教育テレビをみはじめます。
[ピタゴラスイッチ]で知久くんの『ピタゴラ~スイッチ!』という声を聞いた時は「あっ!」と思いました。
今も活躍しているのだと嬉しくなりました。
おわり