久しぶりに、小説を読みました。
あまりにたっぷりとある時間、ネットをみるのも飽きたな。。
タイトルが面白そうだった(笑)
いわゆるジャケ買いです。
今のワタシは、こ難しいお話や、考え込むお話、読んだあと暗くなるお話は好まない。
読んで、もうすぐさま、何らかのアクションをおこしたくなるような、
窓をさーと開け放つような、
そんな物語を読みたかったのです。
「あなたの人生、片づけます」
垣谷 美雨(著)
いやー面白くて一気に読んじゃいました
主人公 大庭十萬里は片付け屋。
4人のクライアントのお部屋の片付けの指導はそのものの心の奥底に隠した問題、その歪みから派生している親族間の切実な溝をふまえた上での解決へと至ります。
多くを語ることのない普通のおばさんに見える十萬里さん。
しかも、面白いことに、ここに登場するクライアントは、自ら望んでアポをとってきた人たちではなく、
みかねた親族のだれかからの依頼という
極めて受動的、人任せ、大きなお世話(笑)からスタートするんですね。
うちに問題がある?は?ふざけんな?みたいな。
しかし、依頼人の顔を潰すことのできない、気の弱いところのある、世間によくある型の人たちばかり。。
こっそりと社内不倫をズルズルと続けているうちに汚部屋になってしまったOL。
妻に先立たれた家の事をなにもしない老人。
子供が寄り付かなくなってしまった地方の資産家の老女。
一部屋だけピカピカに磨かれた部屋を持つ主婦。
十萬里さんは、言葉の説教やハウスキーパーのように動き回ってピカピカにはしません。
たったひとつの小さな宿題を与えながら、完全受動だったクライアントをいつのにか能動へと誘います。
関係性が深まってくると一番、痛い言葉を短く誠意を持って伝えます。
強烈な反発を食らいますが、
強烈な反発というのは、つまり核心なんでしょうね。
しかし、その言葉はやがてクライアントがオセロの駒をひっくり返す原動力となります。
それはとても勇気のいるアクションだと思います。
何事も断るのが苦手なOLは、本当は嫌で嫌でたまらなかった同僚のホームパーティの誘いをキッパリと断りました。
そのNOは、一番大きなNOに繋がります。
それはつまり、本当のイエスを見つけたということでもあるんですね。。
4人に共通するのはそのあたりで、その一番向き合いたくなかったことに向き合った小さく大きなアクションは
その人を取り巻く全ての関係性へと波及していくんです。善き方に。
そして、読み終わった後、これは皆が抱えている問題なんだと気がつきます。
この長く外出もままならないお休み期間、ウエブ会議もしないといけない方も多くいらっしゃるでしょう。
ウエブ会議で写る部屋の背景を探しながら、
断捨離を決意された方も多いのでは??
ワタシもみますもん。ひとのうちの背景
必然的に家、部屋、家族と向き合わなくてはならないこの時期に、とても有効な一冊だと思います🎵
読み終わったらあなたも、自然と起き上がってお片付けしたくなること必須?だと思います。
自然と、、というのが本物だと思いますね🎵
