ワイルドおばばと桜祭りの準備をする。
植え木鉢を景観に合わせたごげちゃ色に塗り、大層な量の土を調合しあとは花を待つだけの準備をし、増殖して困っていた竹を切って花器やお飾りにするための準備をし、無人の学校跡地に蔓延ったつたを切り、かずら編みの準備をし、倒木してしまった木を土台にしたかずら編み花器を陽光差し込むのどかな花壇の横で即興で製作し、メンバーのお父さんが作った竹炭を袋詰めし、竹酢液を小分けする。桜の花びらで押し花を作る。
バックヤードのテラスにはメンバーがお茶をしたり、作業をするための学校の椅子と机が並べてある。そこに大胆に桜と菜の花が活けてある。一仕事終えたあと、そこでお茶をしながらお喋りすると次から次にアイデアが飛び出す。色んな得意技を持った人、情報を持った人が、ごく自然に輪になったテーブルからお菓子やお弁当を食べながらいることを知り、感嘆し、次のアイデアに胸をときめかす。時間がない人は自然と退散していくが誰も咎めたりしない。おばばはよく楽しもう🎵って唄うようにいう。遊ぼうって。。
もうずいぶん前から、『お客さん』だけでいる人生にほとほと退屈していた。自然のものを使って色んな楽しいことをしてみたいというごくナチュラルな夢が膨らんでいた。いや、封印していたものが溢れ出していた。同じお花のボランティアでもお金をふんだんに使って苗をかって美しくする団体はたくさんある。お金をかければ簡単にキレイになるのは当然で、そういったことに自分の大切な時間を使ってまで参加したいとはそれほど思わなかった。私がやりたいことは、自然の恩恵の合理性を利用しながら何かを創作していく喜びを発掘したかったんだと思う。
蜻蛉のやうに夢みていたことが、おばばといると現実となって私はそこにいる。旦那や子供や世界の愚痴ではない、これからのアイデアが普通に飛び出すお茶の時間は、私を芯からときめかす。
おばばは私にとって、『西の魔女』。。