引力があってこそ、生命は自由な躍動を体得する。草花は枯れ果て、木々は葉を落とし、死んだように見える冬にこそ、自然界は生命のエネルギーを強化する。
土に落とされた種子が、もしも落とされたことで、未来を恐怖するのであれば芽はでない。
落とされた意味を疑うことなく、その寒さと暗さを受け入れるからこそ、輝かしい花を咲かせることができる。
宇宙は常に創造を前提に、厳しさや崩壊を存在に与える。
陰があるのは、陽を生じさせるためである。
人間も大愛に生きる大人物ほど、大変な過去を乗り越えているものだ。
天につながる心となれば、自身に与えられた負荷が、何を生み出すためなのか、わかるものだ。
檜はまっすぐに天に向かって生長する。
引力を受け止めるからこそ、それに正反する力を得る。
真の信念はそうして生まれ、真の愛もそうして生まれる。
それが自然界の原理であり、宇宙の原理である。
陰は陽によって生まれ、陽も陰によって生まれるのである。
『タオの法則』より。☆
千賀一生さん。☆