『遊びの女と本命の女』
『やるだけの女と大切にしたい女』
こういった話を耳にする度に、
胸の深い部分が刺さるために、
痛みを感じなくするため、私は心を自動的に不感症にして、消えていく耳障りな音楽のように流す術を身につけた。
身につけたけど、ひどく疲弊する。
(出家しようかな~
私は、たぶんこんな男女関係耐えられない。
しっかりと愛してくれるのは神様しかいないのかもしれない。
だったら、地球のどこかで神に仕えて暮らそうかな。。)
そう考えて、派手に遊びながら、虚無を抱えながら
ひっそりと教会へ通った時期がある。
遊びの女は?赤線の向こうの女は?
本命に選ばれなかった女は?
昨日の広島の舞台の続きです。
この舞台は遠藤周作さんの『私が、棄てた、女』という原作で
『泣かないで』
という作品です。
ブログタイトルに執拗に泣かないでを入れていたのは、題名だったんですね~
おもわせぶりです(笑)
あのね、三拍子揃った楽しみな舞台だったんですが
反面、観るのが恐かったんですよ。
ストーリーは、戦後すぐの日本。
すさまじく吹き荒れる上昇気流と、荒むほどの貧しさが共存する世界。
主人公は普通の大学生。
お金も女なく、悶々とした日々を日銭をアルバイトで稼ぎながら暮らしている。
女が欲しい。。
と、ある少女を引っかけます。
なんとなく華やぎが欲しくなって。
で、その子が華やぎどころか、どんくさくて、垢抜けなく、挙動のダサい女でした。
一夜限りで、ゴミのように棄てました。
どんくさい女にとっては、かけがえのない、夢みるような恋でした。
まさか、自分が忘れ去られているとは夢にも思わずに。。
それから、二人の人生が同時進行で描かれていきます。
ネタばれしてはいけませんのでここまでにします。
遠藤さんは恐い。
この方は、こういった通念のようなこと、人が仕方ないと流すところを、徹底的に冷徹に書いていきます。
嘘やごまかしが通用しない方です。
だから、こんなにも惹かれるんですが。。
女を落とす方法があれば
逆に、私が高値で売れる方法ができます。
両者の間にあるのは『取引』です。
いかに、相手に惚れないか?惚れさせるか?
『お前はさ―
愛だの恋だの言ってるからダメなんだよ―
もっと上手くやらなきゃ』
あははは―――――
若い頃、言われた強烈な言葉でしたね~
龍馬伝で、蒼井優さん演じる隠れキリスタンの芸者さん。
あのこの死んだような目。
まさに、ああゆう虚無を抱えていました。
信じるものは、ロザリオだけ。
上手く泳ぐには、役人に情報を売ること。
そこには愛は微塵もない。
私にとって遠藤さんはロザリオだったんだろうな。☆
で、『泣かないで』というのは
そこを追体験しなければならない作品だったのです。☆

*思い入れが強い為、もうちょっと続くみたいです。
(´∀`)