前に、とある洋服屋さんの前を通ったとき
男の子の大きい声がしたから思わず振り向いた。
『地味なほうがいい!
地味なほうがいい!!
お母さんは地味なほうが似合うって!!
地味なほうがいい!!』
小学一年生くらいか……
お母さんが黄色のバックか茶色のバックかを悩んでいたみたいだ。
『黄色がいいわ~』
私はそう思った。
その茶色は、なんのトキメキ感も与えないように見えたし、お母さんは黄色が欲しいように見えた。☆
彼は、なんだかすがるように母に絶叫していた。
(彼は、ナニかからお母さんを守ってるな。)
横からお姑さんらしき人が現れた。
なるほど。
すべてを理解した。
お母さんが派手にしたりおしゃれしてはいけないフェロモンで統制させられている家庭なのだ。
蜂は、すべて女王バチのフェロモンで働きバチ、雄バチ、女王バチと産み分けるそうだ。
私にも息子がいるからよくわかるけど、
本来、一年生くらいの坊やから
「地味なほうが」というセリフはでない。
まったく感心ない(笑)
もしくは、お母さんが可愛くみえるほう

を、聞かれたら答える程度だと思う。
彼は、すがりながら絶叫していた。
(お母さんが悪く言われないように。☆)
この脈々と続く呪いがキライだ。
バスターしたい。
お母さん、少しずつ少しずつ、好きなものを身に付けましょう

一気にやると潰されるから、
少しずつね♪
大丈夫♪
それは、罪ではありませんから。
息子も、まだ守るより守られる歳です。
おかしくなる前に、
お母さんが思いきって黄色のバックにするべきだよ

ほんの通りすぎる一秒の祈り。☆