『たとえば、深夜の山で望遠鏡をのぞいていると
「空気玉」が見えるときがあります。
空気玉とは小さい空気のよどみです。
これがすーと飛んでくると、しばらくそれを追いかけるように風が吹き抜けていくのです。
この空気玉は、そこだけ空気の温度が違うのでしょう。
その周りの大気と温度の差があるので、屈折の具合で玉のように見えるようです。
空気玉が見えたら、周りの人たちに「風がとんでくるよ」と伝えます。
しばらくして、本当に風が私達の間を吹き抜けていくのです。
そういう経験をしていると、しだいに周りの人たちも空気玉が見えるようになってくるのです。
空気玉を見ることができるのは、
観察に没入して、自然と同化しているときです。
そういう瞬間には、
星空から音楽が聴こえてきたり、
動物がまったく怖がることなく寄ってきてくれたり、
普通では考えられないことが起こります。
今まで隠されていたその人の能力が目覚め、現れるのです。』
『生き方は星空が教えてくれる』より。
木内鶴彦さん。。