水の波紋のような言葉。 | シン・135℃な裏庭。

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『素直に、自分の癖を取って、


自分で考え、工夫して、努力して初めて身につくんです。


苦労して、考え考えしてやっているうちに、ふっと抜けるんですな。


そしてこうやるのかと気がつくんです。


こうして覚えたことは決して忘れませんで。


教えるほうも、弟子のそんなようすを見ながら、

ぽつんと言うんですな。

その言葉はこうしろ、ああしたほうがいいというのとは違いますのや。



遠回しやけども、考えや創造力が膨らむようなことを言いますのや。


おじいさんがそうでした。


そのときはわかりませんわな。


しかし、何かのときに、

ふっとこういう意味やったんやな、


ということがわかるんですな。


刃物を研ぐときだけでなく、


すべてにおいてそうでしたな。







『木のいのち木のこころ』



最後の宮大工棟梁



西岡常一さん。。