美しい地下足袋☆ | シン・135℃な裏庭。

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「私のお祖父ちゃんはね、


九州の久留米で足袋の会社をやってたの。


炭鉱があったのよ。


冬、夜中に働いた鉱山夫がね、


朝早く仕事を終えて出てくると、


昔は草履をはいていたから、


足はひび破れて切れて、血が流れ出していた。


そして、バイキンが入り大変なことになる人が多かった。


アレはなんとかならないか、


かわいそうだと。


うちは足袋屋でしょ。


足袋を強い布でつくって、


底をゴムでおおって、脚絆にしたのですって。


お祖父ちゃんが考えたのよ。


努力して、努力して。


それが、皆さんがはいてくださる


“地下足袋”なのよ」


「明治のおじいちゃんは、


やさしい心で発明したのですね」


そんな話をしてくださいました。


山を登る人も、山に入る人も、


工事をする人も、畑に入る人も、、


明治の日本人は、


やさしい心で、地下足袋をつくったのですね。



夕方、陽は落ちて、そして星が出てきました。


濃いブルーの夜の空は、

美しかったです。







『約束』より。


宮城まり子さん。。