音楽を教える者は、音楽室だけ見ればいいってもんじゃない | シン・135℃な裏庭。

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こちらは茶室も、ホールも、食堂も、寝室も、ナースステーションも、


すべて見てもらいたいと思っているのに、


彼女は、陽のあたるグランドか、広い教室か、職員室ぐらいを見ればいいのだろうと思っているようだ。


これは大学の先生の責任だと思った。


音楽を教えるものは、音楽室だけ見ればいいってもんじゃない。


大キライな算数の部屋も、好きな絵の部屋も本棚もみんな知って、


音楽があるのではなかろうか?


調理場の食器の音もおなべの音も音楽ではないだろうか。


自分を見つめる大きな鏡も必要ではなかろうか?

美しい色を、小さな花びらを、


枯れかかった木も、散りはじめた葉っぱも、


できたらトイレも、冷たい風も、


みみずの鳴き声も、淋しい家庭環境も、


すべて音楽であり、画であり、文章であり、


そして人間づくりなのではあるまいか?


やさしい心を持ちなさいと教えても、


どれがやさしいのか、


感じる心が必要ではなかろうか。


心の教育は簡単ではない。





『まり子のねむの木45年』より



宮城まり子さん。。










7777-blueさんのブログ-130526_171200.jpg



*本日のあじさい