純白 | シン・135℃な裏庭。

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「そのドクターによれば、


患者たちは傷の手当てをしてもらうとき(インドのハンセン病患者)


できるだけ、太い包帯で巻いてもらうのを喜んだ。


日本人なら手足の包帯は可能な限り細い方が


行動の邪魔にならなくていい、と思う。


しかし、患者たちは、ほんの1、2時間の間しかその輝くような白さがもたないにせよ


包帯は太いのを喜ぶのであった。


なぜなら、それは彼らが、人間として愛されているという証だからであった。


目をかけてくれるひとがいる。


という実感を


その真っ白に輝く包帯は示していた。


彼らの生活の中では


恐らく純白という色は


視界の中で


その包帯だけなのである。





天上の青


曽野 綾子 著 より☆