昔、ある国に
大きな教会がありました
その教会には不思議な言い伝えがあり
大きなつるし鐘があるにもかかわらず
町の人々は
いまだかつて、誰もその音を聞いたことがないのです。
クリスマスの前の晩に
イエス様のお心に叶った捧げ物があった時に
鐘はひとりでに鳴るのだというのです。
ぺドロという少年と弟が
クリスマスの前の晩に
ずっと働いてためた一枚の銀貨を握りしめて
教会へ向かいます。
二人は教会の言い伝えは知りません。。
ただ…行きたかったのです
教会の前に
貧しい身なりをした
女の人が倒れていました
ペドロは
その女の人を見棄てることができず
弟に銀貨を握らせ
自分の分も祈って来て欲しいと
託します
教会の中は
たいへんな賑やかさでした
オルガン、聖歌隊、讃美歌。
次々、差し出される豪華な捧げ物…
我こそは☆鐘をならせてみせる!
と気合いを入れてがんばるのですが
聴こえてくるのは
寒風吹き荒ぶ音ばかり
こんな言い伝え、嘘なんじゃないの~と
皆が騒ぎ始めたとき
高い空から、美しい澄みきった鐘の音が
聴こえてきました♪
誰なんだ!?
と振り向いた先には
弟が困ったような顔をして立っていました。
たくさんの捧げ物の上に
たった一枚の銀貨が
星のように輝いていました…☆
藤城清治 画集より☆
藤城さんの数ある影絵の中で
一番好きなのが
クリスマスの鐘シリーズです♪
冬はなぜか
童話が似合いますね♪
若い頃、
友人と交通量調査のバイトをしたことがあるんですが
真冬で、しかも日の出前からでw(゚o゚)w
その寒さったら……
ぶるぶる震えながら
やっていると
おずおずと1人の若い男性が近づいてきました
いっちゃなんですが
少し、知恵遅れっぽい…(適切な表現を知りませんので、あえてストレートに書きます)
夜明け前でしたし、
私たちは一瞬、
緊張しました。。
まっすぐにこっちに来て
ポケットから
暖かい缶コーヒーを
黙って三人分差し出して
そのまま逃げるように
いなくなってしまいました。
あの缶コーヒーは
私にとって
弟が差し出した銀貨です☆
彼に祝福の
鐘がなり響いたら
いいな~☆
と
藤城さんのクリスマスの鐘をみる度に
そう想います……☆