自分は、何を求めて、書き続けているのだろうか?

それを、ふと、思うようになった

いい「詩」を書きたい

表現をきらびやかなものにしたい

(できれば、多くの人に知られたい)

 

若いときは、そんな思いもあった

だが、今はちがうような気がする

 

女性から、愛されたいという年齢でもない

もともと、容姿には、さびしいものがある

考え方は、極端なことに定評があり

友達は、少なく

いつも、孤独がつきまとう

 

では、一体何のために?

 

われわれ、昭和後半世代は、時代のありかたを選ぶことができた

右か左か、それとも環境問題や資源制約の問題をどうするか

血相を変えて、のめりこむ少数派もいれば

大多数は、リーバイスのジーンズを履いて、髪をのばし

彼女と手をつないで、映画館に向かう

アメリカン・ニューシネマ(*)を楽しむことが、定番だった

 

 

(結局、一番安易な道を選んだような気がする)

 

だが、この大多数のひとたちの社会的「無関心」が払うツケは、予想以上に大きかった・・・と、今になって実感する

 

 

平成の時代を生きる人々には、選択権がない

もはや手遅れで、時代のあり方について選ぶ機会が限られている

あるとすれば、この国に残るか、海外に脱出するか

一千兆円を超える国家と地方政府の債務は、東京オリンピックが終われば、・・・避けがたく、表面化する

ハイパーインフレが起きて、国家破産がともなえば

私たち国民の生活は、もちろん困窮に追い込まれる

だが、それだけではすまないようだ(:**)

 

 

(高濃度の放射能汚染水の処理がままならず、廃炉の見通しも定かではない、「フクシマ原発」の現状を、誰が面倒見るのか)

 

(資金手当てが滞るとき、生起する事態を想起すれば、、恐怖で、顔がひきつってしまう・・・)

 

 

ここに至るまで、ついに少数派であることを脱し得なかった

「今の生活が続くなら、そんなことどうでもええわ・・・」

いつも、きまった答えが返ってくる

「どうしようもなかった」という言い訳を

する思いがないと言えば、嘘になる

 

(当時の無関心を装った国民多数派の責任は、本当に大きいと思う!)

 

忘れてしまいたい!

忘れてしまえば、どんなに楽になれることだろうか

今でも、起きがけの浅い眠りの中で

「もう、取り返しがつかない・・・」という思いがフラッシュバック

枕元が濡れることがある

 

現在、人々は生活に追われ

どんどん、心がすさんできている

ぽんぽこ洞がある、いわゆる「地方」でも

規制を超えたスピードの無謀運転や信号無視の車が増えている

買い物に出かけるだけでも、大げさにいえば、命の危険が付きまとう

(悲しいことに。モラルが確実にくずれてきている・・・)

かなりの若者が、ブラックな労働に悩まされ

出口は、どこにも見えない

(もう、希望は、ないのか?)

 

誰もが、他の人を思いやる余裕をもてないでいる

街を歩いても、陽ざし以外のあたたかさを感じられない

(○○新幹線ブームで、沸き立っていても

内実は、人々が「誰も、信用できない」という

不安感、孤立感がいや増す悪い方向に向かっているのでは・・・)

多分、全国どこにいても、この現実に、かわりはないのだ

 

ことばの真正な意味で、善良な人

はっきりいえば、「思いやりがあり、信頼できる人」に会いたい

(せめて、生きている間に・・・)

正直、その気持ちは、強い

生きていても、楽しくないのだ

 

グローバル資本主義がもたらす、各企業間の必要以上の競争

その悪しき弊害が、賃金のトリクルダウンより早く

社会の隅々へと押し付けられる

世の中が、どんどん悪い方向へと変質していく

(イギリスでも、アメリカでも、似たことが起きているらしい)

 

今のとどめがたい状況のなかで

「ひょっとしたら、孤立しているかもしれない」人に向け

発信したい、たがいに生きる喜びを分かち合いたい

せめて、この流れに抵抗したいと

 

それは、思い上がりなのだろうか?

(表現のきらびやかさや、「詩」を上手に書くことも大切だが・・・)

もっともっと、大切なことがあるように思う

齢をかさね、そう思うようになった

 

現実と向き合って生きる人は

言葉の真正な意味で、誠実な人は

貴重なダイヤンモンドである

 

あと、何年生きられるかわからないが

「ああ、この人たちと時代を共有できてよかった」

という思いを味わいたくて

生きている

 

いつもながら

涙をこらえ、ひたすら書く 

希望などなくとも、ひたすら書く

(明日は、きっと晴れるに違いない!)

まだ夢を追いかける力だけは、残っている

 

 

 

 

 (*)・・「俺たちに明日はない」             (ウォーレン・ビーテイ、フェイ・ダナウェエイ)

    「卒業」                                   (ダスティン・ホフマン)

        「イージーライダー」                 (ピーター・フォンダ)

    「明日に、向かって撃て」           (ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、

                                                     キャサリン・ロス) 

        その他     以上、代表例

(**)・・極端な「円安」が発生し、日本の優良資産(トヨタ自動車グループ、

    日立グループなど)が外国によって、買い占められる。土地も、利

    用価値が高い大都市周辺、優良農業用地、観光地、はすべて、外

    国に買収されて、支配下におかれる。

 

 

 

 

                           10.8    2016