チャイムがなり


ドアを開けると


すぐに唇を塞ぎ


漏れる吐息


熱くなる体


意思を持つ それ


押し付けて そのまま 


玄関から 部屋まで押し戻され


ソファに体を投げうち


衣服のしただけ剥ぎ取られ


するっと 入り込み ずっと深いところまで届く


全ての感覚が研ぎ澄まされて


中心に一気に 意識がいき


ボルテージは 最高潮に


声を押し殺して 高みへ


そして それを 愛おしい眼差しで見つめる


息を切らしながら 背を向けると


汗ばむ背中を 指で撫でながら


また 奥深くまで たのしんだら


向き合って まるで同化するように


繋がり 頂上に登り詰めて


互いに 解き放たれた




こんな


まるで 場末のドラマのような


安い映画の ワンシーンのような


そんなことが


現実に あるなんて


全く 失笑だ


でも  


意外と現実は フィクションより


滑稽で 美しい