【前回のこと。】
これは完全なる続き物ですので、前回分が読みたいという奇特な方は、記事テーマから”シリーズ「私」”で探して下さい。
----------------------------------
【大学4年生。】
祖母と弟、そして私自身の生活は、学生をしながらアルバイトで稼いで支えなければならない。
そして、国立とは言え、2年分の学費も捻出しなければならない。
それは、到底できなかった。
頼れる人などほとんどいなかった。
そもそも借金をして逃げている一家だ。
そんなものがあるはずがない。
唯一、ダメ元で頼ってみようと思える人がいた。
当時付き合っていた彼女のお父さんだ。
正直、この人に頼むことはすごくプレッシャーだった。
そりゃそうでしょ。彼女の父親だよ?
未来が固定されるような、そんな感じがした。
(お金を借りようという人間の気持ちではない。まともな人間はこんなことは考えない。)
しかし、頼める人はこの人だけだった。
意外にもあっさり了承してくれた。
無利子無担保で確か90万ほどだったと思う。
今考えれば、これほどのお金を貸すということが、どれだけ大変なことだったろうか。
いわゆる「人にお金を貸すならば、返ってこないものと思え。」というやつだ。
もし自分が貸す側なら、その覚悟で貸している。
それなのに、借りる自分は「未来が固定されるような、そんな気がした」という気持ちで、
感謝の気持ちなど、それほど多くはなかったと思う。
今思う。
これが、どんなにバカなことか。
命の次に大事なものを、人様から借りるということがどれほどのことなのか。
お金を借りることができ、私はピンチを切り抜けた。
あとは、学校に行って、単位をきちんととって、働いて、家族を養えばいいだけだ。
前にも言ったが、勤め先のローソンの人間関係に恵まれていたので、働くのは苦ではなかった。
学校も何とかなった。
就職活動は少し苦労したが、無事に今勤めている会社に採用となった。
翌年、私は大学を卒業し、この会社で働く為に大阪に一人移った。
父はいまだに逃げていた。
祖母と弟を大阪に連れては行けなかった。
祖母と弟の二人を○○県に置いて行かざるを得なかった。
(つづく)