今回は、この記事までに何回も出してきた単語「コンセプトアルバム」というものについてちょっと思うところがあったので、それについて、「ログライン」を絡めて書いていきたいと思います。

 

 

コンセプトアルバムは、少ない?

皆さんは、JーPOPで「コンセプトアルバム」と言われてすぐに思い浮かぶ作品って、何かありますか?

私がパッと思い浮かんだのは、Mr.Childrenの「深海」です(めちゃくちゃ昔の作品なので聴いたことのある人は少ないかもしれませんが…)。というか、これしか思い浮かばないです。しかも、これとてコンセプトアルバムだと明言していたわけではなかったような……。ともあれ内容は実質コンセプトアルバムですね。

 

というわけで、コンセプトアルバムってJ-POPではかなり少ないように思います。

それに比べ、洋楽ではもっと多いように思うんですよね。

 

 

これは完全に私見ですが、その差の原因はおそらく、日本と外国(主に米英)の音楽業界の文化の違いだと思うんです。

 

日本は「シングル文化」です。

まずシングルのために曲を作って、シングルCDを出す。シングルを1~3枚ほど出して、それから初めてアルバム制作が動き出す。

 

対して米英は「アルバム文化」です。

まずアルバムありきで、シングルCDとなるのは、アルバムからのシングルカットか、またはアルバムからの先行シングルという形で、アルバムのために作った曲のどれかをシングルとしてアルバムより先に出す、という形になります。全部が全部そうではありませんが、少なくとも日本よりは遥かにこの形が多いです。特にロックバンドはほぼこの形だと思います。

 

ということは、「アルバム文化」だと、アルバムの曲すべてがそのアルバムのために作られるわけです。

 

 

ですが「シングル文化」の日本では、そうはいきません。先に出していたシングル曲をアルバムに入れるのはほぼ決定事項とした上で、アルバムが制作されます。

で、そのシングル曲はアルバムに入れることを考えて作られたものではないことがほとんどでしょう。

なので、コンセプトアルバムを作ろうとすると、シングル曲が枷になってしまう。やりたいコンセプトの雰囲気に合わない、といったことが起こってしまう。

 

先に挙げたMr.Childrenの「深海」ですが、これも例外ではありません。

「名もなき詩」と「花」の2曲、シングル曲が入っています。「花」は結構アルバムの世界観に溶け込んでいる感じですが、「名もなき詩」に異質感を感じてしまいます。

とはいえ、このアルバムの一本筋感はかなりのもので、曲の雰囲気の統一感はもちろん、曲のアウトロがそのまま次の曲のイントロになってトラック間が全く途切れずに繋がっていたり、曲間に前後の曲を繋げるかのような音を入れたトラックがあったりします。

まさに「名もなき詩」の直前のトラックがその繋ぎ音的なトラックで、そのおかげもあってアルバムの世界観にある程度馴染んではいるのですが、それでも異質感を消すことは出来ていません。

 

というわけで、日本はコンセプトアルバムが作りづらい環境ではないかなと思うわけです。

 

 

「ログライン」と「コンセプトアルバム」と

まず「深海」をコンセプトアルバム足らしめているのは、前項で書いたように音楽面での作りが大きいということです。

 

では、「ログライン」はどうでしょうか。

曲のタイプも様々で、歌い方も曲によって違う。

しかし夏川さん自身の物語を彷彿とさせる構成と歌詞が、「ログライン」をコンセプトアルバム然とした作品にしている大きな要素になっている。

音の要素がコンセプトアルバムとしての作りに大きく影響していないおかげで、本来、コンセプトアルバムとしては枷になるはずの過去曲がほとんど枷になっていない。むしろ、歌い手本人である夏川椎菜の歴史を辿る物語なんだから過去曲が良い具合に働いていると言ってもいいかもしれません。

 

 

というわけで、「ログライン」のコンセプトアルバムとしてのアプローチは、「深海」とは全く違うんですよね。

 

いや、というか、そもそも本人を絡めたノンフィクションを軸としたコンセプトアルバムという方が珍しいです。

アプローチの仕方はとしては「深海」の方が王道です。

「OKコンピューター」以降、毎作コンセプトアルバムみたくなっているレディオヘッドも音楽性からのアプローチですしね。

 

 

つまりですよ。

・日本では、というか(たぶん)声優としてならなおさら「コンセプトアルバム」はスキマ産業

・「コンセプトアルバム」としてのアプローチの仕方は、他と比べて「ログライン」の方がマイノリティ

 

 

というわけで、音楽方面からのアプローチで「ログライン」とは全く違ったコンセプトアルバムを作るのも面白いんじゃないでしょうか。

いや、簡単に言ってしまいましたけど、色々とものすんごい難しいかもしれませんが。

 

 

 

 

いや、しかし、そうなると次のシングルがアルバムを見据えた上での制作になるということですよね……。

だって、「パレイド」の次のシングルになるということですからね。ハードルが上がっている中で縛りを設けるのはどうなんでしょうか……。

 

 

いや、まあ、とりあえず、書き終えてここまで読み直して思いましたが、

 

誰目線だよ。

毎記事ね。

 

ですが、おそらくこれからも誰目線な記事を書くことだろうと思いますので、お付き合いいただいている読者さんは本当にありがとうございます。