おはよう 母さん
普段なら 朝ごはんの支度をしながら
寝坊常習者のボクを 何度も キッチンから叫んでくる
目覚めた理由は
母さんの起こす声もなく
朝に響く テレビ、フライパン、足音、水の音が一切しないから
静けさの不安で飛び起きた
すぐさま キッチンへ跳んだ
母さんがテーブルの椅子に腰掛けて
窓の外をボウッと見ていた
母さん
人形のように動かない
母さん!
首だけがこちらにグルリと向いた
目はボクの少し横を見ている
あぁ、お早う
母さん大丈夫?
ううん ちょっとね、頭痛がね
こんな母さんをボクは見たことがない
怖くて何も訊けなかった
じゃあ 横になってなよ
とりあえず学校から帰ってまた母さんの様子をみてみようと思った
そうね 、そうするわ
母さんはまた窓の外に顔を向けながら応えた
時間ないから俺 行ってくるよ
今日も遅刻だ
いつも通りにそろりと教室のドアを開ける
大きめなマスクをかけた先生が何やら生徒に話しかけている
お早うございます
ボクは小さな声で
誰に言うわけでもなくつぶやいた
いっせいにみんながボクを見た
全員が大きめのマスクをしている
なんだ?
風邪流行ってたっけ?
冷たい風のようなみんなの視線
先生がボクに座るよう促した
先生が口を開いた
大変残念です
このクラスの生徒のお父様から警戒レベル最高のウィルスが発見されました
この市では初になります
残念ですが今日1人生徒がこの教室からいなくなります
彼とご家族が天国で幸せに暮らせるよう皆で祈りましょう
ちょっと待ってよ先生
皆が必死に祈っていた
ワタシダケニハコナイデ
ボクダケニハコナイデ
そう 呟いているように聴こえた
悪い冗談はやめろよ
ボクは怒鳴った
死んだ魚のような目をした生徒と先生の目がグルグル回り始めた
なんで俺なんだよ
なんで?
窓の外ではカラスの大群が叫んでいる
運動場のそばの木の下では猫達が何やらニャーニャー鳴いている
目が覚めた
ここは小屋の中
人間になった夢を見た
泣きたくても
泣きかたもわからない
泣きたくても泣けない人間の夢を
朝陽に向けて
声を高く鳴いた
普段なら 朝ごはんの支度をしながら
寝坊常習者のボクを 何度も キッチンから叫んでくる
目覚めた理由は
母さんの起こす声もなく
朝に響く テレビ、フライパン、足音、水の音が一切しないから
静けさの不安で飛び起きた
すぐさま キッチンへ跳んだ
母さんがテーブルの椅子に腰掛けて
窓の外をボウッと見ていた
母さん
人形のように動かない
母さん!
首だけがこちらにグルリと向いた
目はボクの少し横を見ている
あぁ、お早う
母さん大丈夫?
ううん ちょっとね、頭痛がね
こんな母さんをボクは見たことがない
怖くて何も訊けなかった
じゃあ 横になってなよ
とりあえず学校から帰ってまた母さんの様子をみてみようと思った
そうね 、そうするわ
母さんはまた窓の外に顔を向けながら応えた
時間ないから俺 行ってくるよ
今日も遅刻だ
いつも通りにそろりと教室のドアを開ける
大きめなマスクをかけた先生が何やら生徒に話しかけている
お早うございます
ボクは小さな声で
誰に言うわけでもなくつぶやいた
いっせいにみんながボクを見た
全員が大きめのマスクをしている
なんだ?
風邪流行ってたっけ?
冷たい風のようなみんなの視線
先生がボクに座るよう促した
先生が口を開いた
大変残念です
このクラスの生徒のお父様から警戒レベル最高のウィルスが発見されました
この市では初になります
残念ですが今日1人生徒がこの教室からいなくなります
彼とご家族が天国で幸せに暮らせるよう皆で祈りましょう
ちょっと待ってよ先生
皆が必死に祈っていた
ワタシダケニハコナイデ
ボクダケニハコナイデ
そう 呟いているように聴こえた
悪い冗談はやめろよ
ボクは怒鳴った
死んだ魚のような目をした生徒と先生の目がグルグル回り始めた
なんで俺なんだよ
なんで?
窓の外ではカラスの大群が叫んでいる
運動場のそばの木の下では猫達が何やらニャーニャー鳴いている
目が覚めた
ここは小屋の中
人間になった夢を見た
泣きたくても
泣きかたもわからない
泣きたくても泣けない人間の夢を
朝陽に向けて
声を高く鳴いた