新聞紙の上のご飯を食べていた


鳥インフルエンザの文字が目に入った

玄関に積んでいる新聞紙の束を引きちぎって 状況を読み漁った


これは自分が立ち上がらねば


勉強をした

学校入学

卒業

留学

秘書

独立



市長



師鳥?



ひとつ目を実行


それは


ニワトリを飼育出来る敷地を持っているものは ニワトリ飼育を義務とする

とくに学校などは人数が多く面倒を看ることが出来るため多めに飼う


養鶏関係の会社は国及び市が手厚く保護



ニワトリを飼育する理由は

愛の対価が卵

それを食べることによって

自給自足の感謝を体験出来る



市長は唱えた


議席では猫議院たちがニャーニャーなにやら鳴いている




はっと覚めた



ここは小屋




玄関の新聞紙の上の朝ご飯を食べる



師鳥が文字を読めるかは


わからない



でも


未来は



読めるかもしれない







言葉を覚えたての頃から一緒だった


幼稚園

小学校

中学校



川で遊んだり

モノマネ対決したり

勉強したり

ケンカしたり


近くの神社でキスしたり



お互いに家庭は他の人達に比べたら

決して良くないのはわかっていた



もうすぐ受験


もうすぐ君の誕生日



なにかしてあげたいと思った



お母さんがごくたまに

ホットケーキを作ってくれていた



受験と誕生日の前の週の土曜日



誰もいない時

見よう見まねで作ってみる


残ってた材料しかないからぶっつけ本番


焦げたのが一枚

満月が一枚


コンデンスミルクで


お誕生日おめでとう


受験頑張ろう


なんとか読めると思う



次の日の日曜日


小さな公園のベンチ


彼女にタッパーを差し出した


タッパーを開けた彼女



微笑んでくれた


タッパーの中のフォークをとって

パクパク食べ始めた



美味しいかな


不安で訊ねた



ポタポタと彼女の眸から涙がこぼれ落ちる


それでも彼女はパクパク食べ続けた


なんだか胸が苦しくなって

ボクの目からもいっぱい涙が出てきた



失うのがこわい

だから

なにも得られない



失うことが勇気

失うことが愛


舞い落ちてくる

一枚一枚の雪

感情が降り注いでは

思い出が掻き消されていく


目の下に張り付いた一枚

涙が溶かして

からだの中へ染み込んでゆく